【短編集】White story 【w.t】 (ページ8)

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knside.

今日は先輩たちの練習に付き合って、本当に大変だった。
いつも一緒に帰っているなかむは怒られて拗ねて先に帰っちゃったし。

急いで家に帰ろうと走っていた時、見覚えのある背中が見えた。
なかむと、A。

お互いの距離が近くて付き合ってるのかと疑うほどだった。
俺はずっと片思いをしているAが取られたくなくて、走って彼らを追いかけた。

「おっ、久しぶりじゃん萌！それになかむもいるんだ！

と言うとなかむが少しだけ嫌な顔をした気がした。
ライバル登場だからな。

「きんときじゃん久しぶり」

とAが笑う。天使じゃん可愛い…。

「久しぶり〜！一緒に帰っていい？」
「もちろん！いいよね、なかむ？」
「う、うん」

動揺しているなかむに内心ごめん2人が良かったんだよな、と謝罪しつつも、ラッキーなんて思ってしまった。

Aと帰れる機会なんてなかなかなかったから。

そして家に着くまで3人でいつもの様に喋って帰った。

なかむも笑顔になってくれたし、Aも楽しそうだし良かった。

そしてAの家の前。
彼女は、俺らに向かってこう言った。

「これからもズッ友だよ！」

…と。

ズッ友、か。
Aには悪意がないだろう。
でも俺らは片思いをしている身。

こんなことを言われちゃったら俺らに勝ち目はないんだろうな。

なかむと顔を見合わせて笑った。

「「もちろん」」