[ 短編集 ] 真っ白なノート (ページ1)

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[ kn ] 幼馴染み兼片思い相手。ページ1

Aside

最近、中学時代から仲が良いNakamuが付き合い始めたらしい、

毎日毎日彼女の話ばっかすれば " きんときもあの幼馴染みちゃんに告ればいいじゃ～ん、!! " と言ってきて。

" 俺はお前のように勇気がある奴じゃないんです～、 " なんていつも返しているがふと思い返せば行く大学も決まった時期だ。

大学は流石に別々だし、高校生活が終われば彼奴と話す機会もぐっと減ってくるだろう、

そろそろタイムリミットなのかなと思い、はぁ、と溜め息をついていると

「やっほ～、!! 」

と聞き覚えのある声が聞こえる。

そう、今話しかけてきた彼女こそ俺の幼馴染み兼片思い相手のAだ

「一緒にかーえろ、!! 」

少し照れくさそうににひひ、と笑う。

『おけ、なんか久々だね、』

自然と広角が緩む。いつも通りを装っているが本当は何もいつも通りなんかじゃない、

「んねんね、!! ぁ、そういえばさ___ 」

とAは早速小学生が親に話す様に俺に話し始め、

内容はクラスでのくだらない話、新しい洋服を買ったなどの他から見たらどうでもいい会話で。

楽しい時間はあっという間。

気づいたらもう家の近くまで来ていて、Aとの話はどうでもいい話から周りの恋愛事情に変わっていた、

『ほら、俺と仲良いNakamuっているじゃん、? 彼奴付き合い始めたんだってさ、』

なんて " ズッ友 " の彼の話をすると

「あ～...、モテそうだしね～、。きんとき残されたね、w 』

と笑いだし。いや、俺の付き合いたい人はお前だけどな、なんて一人心の中で呟いては

『うっせぇ、w 』

と返し。周りを見るとAの家の前で

「ぁ、もう家か...、んじゃ、また明日ね～、」

と手を振り帰ろうとするA

もう卒業は近い、一緒に帰れるのだって今日が最後かもしれない。

『待って、』

そう考えていたはずが自然と手は彼女の腕を掴んでいた

『あんさ、もうAと友達なんかじゃ嫌なんだけど、』

振り返った彼女を真っ直ぐ見つめてそう言う

「 ...、それってこっちの意味でとっておけ、? 」

というと俺が掴んでいない片手の指で指ハートを作り、

『察しが良くて助かったよ、』

とふっと笑って言えば

「幼馴染みなめんな馬鹿、!! 」

と抱きついてきて。

好きを言わない告白は成功したようだ、

これからは幼馴染み兼片想い相手、ではなく幼馴染み兼恋人となる彼女の頭をそっと撫で

『愛してるよ、』

と呟いた。