悩み 弘樹side ページ34
「さてと。ヒーローの話をする前に、弘樹クン何か悩んでるよね」
「えっ」
奥の部屋に通され、促されるままに椅子に腰掛ける。
するとすぐ、ホークスにそう尋ねられた。
「俺で良ければ聞くよー」
ヘラっと、いつもみたいに笑うホークス。
だけど、その目は真剣だった。
「じ、…っつは、」
「うん」
「来週から高校の強化合宿が始まるんだ」
「うん」
「姉ちゃんは絶対、行ってこいって言ってくれる」
「うん」
「だけど俺、こんな事があったのに姉ちゃん一人にしたくない」
「うん」
「姉ちゃん、本当は大学に行きたかったんだ。勉強すげえ頑張ってたし、大学のパンフレットも貰ってきてたし」
「うん、」
「だけど、姉ちゃん、俺がヒーロー目指したいって思ってるのに気づいてくれて…。大学諦めて就職してくれた。仲いい友達いたのに、わざわざ雄英高校の近くに引っ越してくれた」
「…うん」
「俺ら、だから引っ越してきたばっかなんだ。それで知り合いも少ない。やっぱそんな場所に、姉ちゃん一人にしたくない」
それに、姉ちゃんは今、声も出ない。
俺がヒーローになりたいと思ったのは、そんな、いつも優しい姉ちゃんを守りたいと思ったから。
今、合宿に行って姉ちゃんに何かあったら、本末転倒じゃないか。
「…そっか、」
「うん…」
「弘樹クンは優しいね。希癒サンの弟クンだし、優しいのも納得だけど笑」
「だけど」、そうホークスは続けた。
「君はまだヒーローじゃない。お姉ちゃんを守るにはまだ早いよ」
「だけど…ッ」
「うん、言いたい事は分かるよ。だけど、今、弘樹クンがやるべきなのは、学校でちゃんと学んで立派なヒーローになる事。お姉ちゃん守るのはそれから」
「じゃあ、俺がヒーローになるまでどうするんだよ…ッ」
ついムキになってしまう俺は子供だ。
こんなんじゃ到底ヒーローとは言えない。
それは分かってる。分かってるけど＿＿＿＿
「弘樹クンが立派なヒーローになるまで。それまでは俺たちが皆を守る。もちろん、希癒サンもね」
「…っ」
グッと唇を噛みしめる俺の頭をホークスはポンポンと撫でた。
「ま、それでも心配だよねー。だって希癒サン声出ないし、引っ越してきたばっかで頼れるとこ少ないだろうし、仕事もしてるもんね」
「それで、提案なんだけど」
イタズラっ子のように、ホークスは笑った。
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森田真月(プロフ) - huji山さん» 教えていただきありがとうございます🙇♀自分がアホすぎてビックリです。3話の方で触れさせていただきました。 (1月8日 17時) (
レス) id: 7b12b1cfeb (このIDを非表示/違反報告)
森田真月(プロフ) - 花帆さん» わあああ！？ごめんなさい！！4年も経ってしまっている!!!通知が来なかったようでお返事しておりませんでした。申し訳ないです。コメントありがとうございます！ (1月8日 17時) (レス) id: 7b12b1cfeb (このIDを非表示/違反報告)
huji山(プロフ) - すっごく面白いんですけど、ホークスの事務所は九州で雄英は静岡なのになーと思いました笑 (1月7日 22時) (レス) @page32 id: 704ce5ae45 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！続きも拝読できて嬉しいです！かっちゃんが塾の生徒なのも、すっごくおいしいです(o>ω<o) 続編も楽しみに応援しておりますね♪ (2020年9月15日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
森田真月(プロフ) - りんさん» ごめんなさい、コメント頂いてたのに気づきませんでした…！ありがとうございます！ (2020年8月20日 11時) (レス) id: 027035f0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森田真月 x他1人 | 作成日時：2020年1月3日 22時
