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任務は突然に ページ43
夕食の片付けを済ませていると、私の鎹鴉が声を上げた。
「カァー！カァー！！任務！！任務ダ！！！」
「杏寿郎さん！行って参ります！！」
「うむ！気を付けてな 頼むから無理はしないように！」
「はい！」
杏寿郎さんはよく私を心配して気遣ってくれる。
本当は任務に行かせたくないんだろうな。
そんな音がする。
今更ですが鎹鴉の名は奈津。
奈津は人懐っこい性格だが少々短気なようです。
「どこへ向かえば良い！？」
「着イテ来ナ!!カァー！！」
「行き先ぐらい教えてよ…」
全集中の呼吸を使うと移動がとても速い。
前方に山が見える。
「アソコダ！カァー！！那田蜘蛛山！！那田蜘蛛山ァ！！」
そう言って道案内だけすると、奈津は何処かへ飛び去ってしまった。
那田蜘蛛山。
蜘蛛はとても苦手です。
既に他の隊士達は入山しているようで、悲鳴や泣き声なんかが耳に入ってくる。
耳を塞ぎたい。
「よし！！」
私は頬を叩いて鼓舞した。
「私は強い…私は強い！！行くぞー！！！心を！燃やせーーー！！！！」
聴覚を頼りに足を進めていると、近くで雷鳴が響いた。
「雷鳴！？ そんな天気じゃなかったけど…雨でも降るのかな？」
威勢の良い笑い声も響き渡っている。
なんだかとても…不安な任務です、杏寿郎さん。
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作者名：こあら。 | 作成日時：2021年6月25日 22時
