炎柱と歌う少女 (ページ41)

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愛しいページ41

俺は、愛しさのあまりAに口付けをしてしまった。

暗くて見えないが、Aはまた泣いている。

「よもやすまない！嫌だっただろうか！？」

慌てる俺にAは啜り泣きながら首を勢い良く横に振る。

「嫌なわけ無いじゃないですかあああああ」

どうやらAは感情が昂ると泣いてしまうらしい。

そんな所も愛い！！！！

今一度Aの手を引いて抱き締める。

Aの温もりが、熱が、鼓動が伝わって来る。

父上も、母上と恋仲だった頃はこの様な気持ちだったのだろうか…。

そんな事を考えていると、Aの身体がビクッと震えた。

「どうした？」

「鬼の…咆哮が聞こえます」

辺りを見渡すが、俺には聞こえない。
Aの聴力は格段に上がっている。

「そうだA 歌を唄ってくれないか？前に唄っていた鼻歌がとても好きでな」

Aの恐怖心を取り払う為もあったが、俺は純粋にAの歌が好きだ。

それに、Aが歌えば鬼も自滅する。

「〜♪」

Aの柔らかい歌声に包まれながら、俺たちは手を繋いで屋敷へと帰った。

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