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「…!?あ! 冨岡さんすみません!おぶって貰っちゃって…」
私は気付いたら冨岡さんの背中におぶられていた。
少し寝てしまったらしい。
朝陽が登り、時期に杏寿郎さんのお屋敷に着く。
まさか柱の方に送っていただく事になるなんて…
不甲斐なし!!!!
冨岡さんは玄関先に私をおろすと真顔で私の頭を撫でてくれた。
「似ている…
また会える事を願う」
「?」
.
「A!無事帰ったか!ん?冨岡も一緒だったのか!」
今一番聞きたい元気な声が聞こえた。
「杏寿郎さん!歌の呼吸を使ったら やっぱり体力の消耗が激しいみたいで… 任務で一緒だった冨岡さんに送っていただいちゃいました」
「そうだったのか!Aが世話になったな!上がって行くか?」
そんな杏寿郎さんの誘いに冨岡さんは顔色ひとつ変えず「今日は遠慮しておく」と断ると目にも留まらぬ速さで去って行った。
「読めない人だなぁ」
私が呟くと杏寿郎さんは、ははっと笑って言った。
「冨岡は感情をあまり顔に出さない 言葉も足らない事が多いが 優しく熱い心を持っていると思う!」
「確かに…優しかったです」
私は朝餉を済ませると少しだけ横になった。
冨岡さんが玄関先で言った言葉が少し気になっていた。
ー(似ている)ー
(誰に似てるのかな?)
そんな事を考えているとまた睡魔が襲ってきて私は目を閉じた。
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作者名:こあら。 | 作成日時:2021年6月25日 22時