水柱 ページ32
先日、私は独自の呼吸である"歌の呼吸"を編み出した。
煽られた事に少し腹が立ちましたが、
杏寿郎さんには感謝しています。
普通だったら日輪刀持ってる時に技とか出せる物だと思ってたんだけど…
なんかめちゃくちゃだなぁ…。
改めて日輪刀を握ってこの間の構えをしてみる。
集中!
「歌の呼吸 弍の型
独弦哀歌!!」
刀を振り下ろすと地面が割れた。
「ひぃ!」
我ながらその威力に少し恐怖を感じた。
夜。
今夜は久々の任務だ。
現地に着けば今日の指揮は水柱である冨岡義勇さん。
噂には口数が少ない人だと聞いていたけど、そんな事ないみたい。
「煉獄の継子だな」
急に話しかけてきた。
「はい!Aと言います 今日はよろしくお願いします」
「煉獄から聞いている…行くぞ」
「…! あ、 はい!!」
(前言撤回!!どうしよう…杏寿郎さんと性格が正反対すぎる。
少し苦手だなぁ…。)
不安に駆られながら私は冨岡さんの後を追った。
竹藪を抜ければ長閑な集落に出る。数日前から住民が行方不明になると言う事件が相次いでいるらしい。
蔵の陰に身を潜め、周囲を伺う事にした。
「…宇髄の所で稽古を付けて貰ったと聞いた」
「はい 宇髄さんにはとても良くして下さって お陰で音の呼吸を習得できました!」
それに驚いたのか、冨岡さんは目を丸くして私を一瞬見た。
ガサっ
「!!」
近くで物音と鬼の気配がして、一気に緊張が走った。
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作者名:こあら。 | 作成日時:2021年6月25日 22時