約束 ページ28
俺が庭先で素振りをしていたら、Aの鎹鴉が知らせてくれた。
鬼の数が多く、Aが苦戦していると。
俺は迷わずAの元へ向かった。
どこに居るのか検討も付かなかったが、時折り見える炎と宇髄との合同任務の際に聞いた轟音を頼りにAの居場所を突き止めた。
この数相手に良く耐えれたものだ。
もう少し到着が遅れていたらと思うと身も凍る思いだな。
「杏寿郎さん」
泣きそうに俺の名を呼ぶAに大丈夫だと告げると一気に畳みかける。
時期に夜が明ける。
それまでにこの煉獄の赫き炎刀でここに居る全ての鬼を骨まで焼き尽くして見せる!
「炎の呼吸 肆の型!
盛炎のうねり!!」
日が昇る迄には鬼を殲滅した。
Aの同期は隠しの者に任せ、Aは一先ず蝶屋敷へ連れて行こう。
宇髄にも鴉を飛ばしたから、きっと大丈夫だろう。
「杏寿郎さん…約束守ってくれたんですね」
俺の背中からAが言う。
「当たり前だ 君を必ず守ると言っただろう」
安心したのかAは眠りに就いた。
「よぉ 煉獄!久しいな」
翌日、宇髄が俺の屋敷を訪れた。
「Aが世話になったな! 君のお陰でAはまた一段と強くなった気がする」
「もうAに教える事は何もねえよ 本当にアイツ弱音も吐かず鍛錬して…呼吸の習得も早ぇし 度肝抜かれたわ」
Aは宇髄をも唸らす継子だと言う事に俺は誇らしかった。
「帰るわ Aにまたいつでも寄れって伝えてくれ!
あと煉獄…ボヤボヤしてっと誰かに取られちまうぞ!Aをよ」
「む!?それはどういうことだ?待て 宇髄!」
何も答えないまま宇髄は帰って行ってしまった。
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作者名:こあら。 | 作成日時:2021年6月25日 22時