ヒーロー ページ27
森に入るとそいつは姿を表す。
見通しが悪く、鬼は木の影に隠れて容赦なく襲い掛かる。
鬼殺隊の叫び声を聞くに敵は一匹ではない様だ。
「チッ 何匹も居るのかよ…!」
「炎の呼吸 伍の型 炎虎!!!」
蓮の背後から忍び寄る鬼を見逃さなかった私はすかさず鬼の首を斬る。
「げ!!全く気付かなかった!!やるな…A」
「気抜くとやられるよ!」
斬っても斬っても沸いて出る鬼に私は体力の限界に達していた。
(マズいな…このままじゃ体力だけ消耗してやられちゃう
相手の思う壺だ…)
「ぐわぁっ!!」
「蓮!!!」
蓮が背中を斬られたらしい。
「音の呼吸…壱の型っ!!
轟!!!」
ズドォォオオオオン
地面に大穴が空くこの技で数分だけ辺りに居た鬼を滅する事が出来る。
終わりが見えない戦闘に私の精神力までも蝕まれそうだった。
「…あ あぶ ない! A!!」
負傷した蓮を抱えて居ると、蓮が私の背後を指差して叫んだ。
振り向けば、今まで戦って来た鬼より3倍ほど大きい鬼が私を捕まえようと腕を伸ばしていた。
ガシッ
捕まってしまった。
最期くらい杏寿郎さんに会いたかったな…
「炎の呼吸!壱の型!!
不知火!!!!」
「!!!」
希望の炎が見えた。
鬼の腕が斬れて私が地面に落ちる寸前に杏寿郎さんに抱き抱えられた。
「杏寿郎さん…」
「A!遅れてすまない!ここまで良く持ち堪えたな 偉いぞ!俺が来たからもう安心だ!!!」
ヒーローが現れた。
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作者名:こあら。 | 作成日時:2021年6月25日 22時