合格 ページ13
あれから私は最終選別を見事生き抜き、晴れて合格した。
生き残った者は私を入れて5人。
少し話をした少年も居る。
良かった。
産屋敷様から与えられた鴉鴉と日輪刀の元となる玉鋼の選択に、条件を満たしたんだと言う実感が湧いた。
鍛錬の成果か、多少疲労はあるもののちゃんと歩いて帰る事が出来た。
あの角を曲がれば煉獄家だ。
歩みを早めると丁度曲がり角で人にぶつかった。
「わっ ごめんなさ…!!」
「A!!!よくぞ戻った!!」
煉獄さんだった。
勢いで抱きしめられて驚いた。
私は安堵したのか煉獄さんに抱き着いて号泣してしまった。
「うわあああああああん!!煉獄さぁぁあああああん!!!だだいま戻りましたあああああ!!!!」
「うむ!!お帰り!A!!君をずっと待っていた!必ず帰って来ると信じていた!!」
煉獄さんは約束通り抱きしめてくれた。
私は凄く嬉しくて、煉獄家に入るまでずっと泣いていた。
「お帰りなさい!Aさん!!待ってましたよ!合格おめでとうございます!!」
玄関まで来ると、千寿郎くんが走って迎えてくれた。
天使過ぎる。私には眩しい。
「ありがとう!あの…先にお風呂をいただいても良い?」
7日間の汚れが気になって仕方ない。
一応女子なので。
お風呂から上がってからは最終選別について煉獄さんに話を聞いてもらった。
目の前で喰われた少年の話も、眉を下げて慰めてくれた。
そしてあの事も…。
自分の体力が限界に達していて尚且つ大きな感情の乱れが重なると暴走するらしいこの力は、やはり危険な物なのだと再確認した。
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作者名:こあら。 | 作成日時:2021年6月25日 22時