隙がない(微♡) ページ13
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俺はAにイタズラをするのが好きだ。普段はAが俺を驚かして騙してくるけれど、俺だってやられっぱなしではいられない。
「A〜」
『ん?』
仕事で疲れた〜、と演技をしてAに抱き着く。そして任務を開始する。
『あっ』
「ん? どうした?」
任務と言っても一瞬で終わる。今日も大成功だ。
『どうした、じゃないのよ。もう!』
今Aの胸元は引き締めから開放された。普段ブラで固めている胸を休みの時くらい楽にさせてるんだ、というのが言い訳で、俺は最近Aのブラホックを外すイタズラを仕掛けている。そしてこれが隙のない彼女に唯一できるイタズラだ。
「そんな減るもんじゃないんだから」
『そうだけど』
このイタズラを始めてから気づいたこともある。Aはブラの上に着ている服を脱がなければホックを留められない。
「俺が付けてあげる」
『絶対付ける気ない……』
呆れながらも俺に背中を向けてくれるのはそういうことよね? そうだよな? 自問自答を繰り返しながら着ている長袖Tシャツを脱がせる。
キャミソール越しに外れたホックが浮き出ている。キャミソールを脱がせるとダランとぶら下がったホックが目に入る。片方ずつ肩紐を下ろすと無防備な上半身が露わになる。
『やっぱり付ける気ないじゃん』
きっとAは知らないだろう。自分の背中に小さなホクロがある。……今日のブラの色が淡い黄色で甘党筋肉の顔が浮かんでムカついていることも知らない。
「ホック外す彼氏に付ける気はありません」
俺の方を振り返ったAは恥ずかしそうに左腕で胸を隠していた。
『知ってる』
何度も見ている。気持ち悪いかもしれないけど触るし舐めてもいる。でもいつだって新鮮に恥ずかしがる。Aを作る全てがいつまでも愛おしくてたまらない。積極的なお姉様方も悪くないけど、上半身だけでも裸になるのに慣れない恥ずかしがり屋な貴方が1番好き。
胸を覆う腕をゆっくり下ろす。丸く形が整った柔らかな膨らみを1度目にすれば俺のスイッチが入る。
「今日は何されたいですか? ん?」
『聞かなくてもいいじゃん……』
「いや、今日は今日の気分ってもんがあるじゃない」
本当は言わせたいだけだ。少し逡巡して考えた後、Aは口を開いた。
『……とりあえず、いっぱいしたい』
その願い、叶えてあげます。
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作者名:あおやなぎ | 作成日時:2023年8月28日 23時