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いわふかの面白い所はここにもある。Aに対して意外とあっさりしているのが照、執着心を見せつけるのがふっか。ヤキモチ妬きの照にサバサバのふっかがAに関しては真逆になる。そしてそれを観察するのが密かに楽しみだったりする。
「もっとさぁ、探っていきたくならねえの？ お前は」
「これ以上探っても出してくれないもん」
『そーだそーだ』
「そーだそーだじゃねえよ！」
こうやって観察していると照もAもふっかより年下なんだな、と気づかされる。普段2人とも大人びているからどうしてもふっかより年上に見えるけれど、時々見える先輩を振り回す後輩の図が面白い。
『でも1つ言えるとするなら、その作品で高校の同級生と後輩と共演したよ』
「こんなヒントくれちゃうのよ？ 俺は気になって仕方がないよ。この調子で教えてくれそうじゃない」
『教えないけどね』
「今のは教える流れだったじゃぁん……」
いや、翻弄しているのはAだけか。肩透かしを食らったふっかは今にも溶けそうなくらいAに縋りついている。
「ふっか達面白いよね」
「ああ」
いつの間にか照は俺と同じく傍観者側に移っていた。
「Aにしか任せられないよ、あんな構って男は」
「……ああ」
ふっかがAにプロポーズをしたい、と言い出したのはつい先日のことだ。最終的にメンバー全員に報告するつもりだけど、まずは成人にも満たない頃から俺達の成り行きを見守ってきた5人に報告したい。
普段ヘラヘラしていて皆に弄られるふっかの本気の表情を俺は一生忘れないだろう。
“俺、Aにプロポーズするよ”
グループとして大切な時期、プライベートなことで迷惑をかけるかもしれない。それでも一緒にいたい。
Aも、SnowManも絶対に守り抜く。おふざけの裏に隠された熱い思いを目の当たりにしたら、いつも1人で抱えてきた男の決意を聞いてしまったら反対なんてできやしなかった。そもそも誰も反対する気がなかった。
「なぁ、本当に教えてよ。誰にも言わないから！ 2人だけの秘密だから！」
『やだ！ 当日にふっか驚かすの！』
「あなたのドッキリ心臓に悪いんだって……」
子供の喧嘩かよ。照と俺は思わず苦笑いした。
「俺も結婚してえ」
「翔太の相手は根気強くないと面倒くさそう。無理でしょ」
「おい」
「んひっ！」
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2023年7月1日 21時
