* ページ27
·
「ふっかは俺にも嫉妬してるからね? 多分今俺らがふっかいないとこで話してるって知ったらヤバいと思うよ?」
『マジ?』
「マジだって。なんならあいつ、俺に1番嫉妬してるから。紹介したのは俺だからそこは感謝してるけど、ずーっと仲が良くて個人でやりとりしてるのはヤキモチポイントらしいし」
照の苦笑いの表情が画面いっぱいに広がっている。
『そうなんだ……』
「まさか自分が嫉妬される側の人間になるとは思ってなかったよ? しかもふっかに」
「照が言うなら事実じゃん。あいつ激重くんじゃん」
なべしょーの言う通りだ。話を聞く限り、深澤辰哉は雑誌ではいきがっているだけで本当は激重くんだ。
『それはそれで絶対可愛いから見てみたいなぁ……』
「……誰が可愛いって?」
やっぱり諦めきれない。ひーくんがダメならなべしょーに……なんて思っていたら、照の低い声でもなべしょーの少し高い声でもない、柔らかい声が響いた。同時に体に重みと温もりを感じる。
「あーあ、やっちゃった」
「やっちゃったじゃねえのよ。貴様達は俺に隠れて何を企んでるの?」
「ちょっ……、俺らを巻き込むなって!」
「言っとくけどなべも照も同罪だからな?」
同時にその顔が左肩の上に乗る。
「悪い子だねぇ、Aちゃん。俺を嫉妬させたいなんて」
ゾワゾワッと背中が震えた。辰哉くんが照よりも嫉妬する時がある。その理由を今、まざまざと見せつけられている。
「ちょっとこっちで反省会するから。じゃあな!」
こうして回線を切られ、静寂が訪れた。お互い喋ろうとはしない。どこから聞かれていたかは分からないまでも、私が辰哉くんを嫉妬させたいのは把握されている。
「……なぁ、A」
『は、はい』
蜂蜜のように甘ったるい低い声が耳をくすぐる。
「俺の愛は届いてないの……?」
『え?』
「だって、嫉妬させたいってそういうことだろ? 俺が人生懸けて恥も捨てて伝えてるのに、全然伝わってないってことじゃん……」
結構頑張ってるのになぁ……、と落ち込むから私は試そうとした自分を恨んで後悔した。
本当に、本当に気まぐれで興味本位だった。親友としてフランクに接しつつも、付き合って甘やかして余裕まで見せてくる。
雑誌で嫉妬しないと言い張る辰哉くんを妬かせてみたい。それだけのつもりだった。
776人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみ(プロフ) - こんにちは!遂に共演が!興奮してコメントしてしまいました。きっとsns荒れただろうなと……楽しみにしています! (2023年5月7日 15時) (レス) @page30 id: 013c7a8c5b (このIDを非表示/違反報告)
あおやなぎ(プロフ) - すみさん» 初めまして。コメントありがとうございます! 実は考えているところなのです…! 先のことになると思いますが、気長に待っていてくれると嬉しいです! これからもよろしくお願いします! (2023年4月23日 22時) (レス) id: 2272bdf112 (このIDを非表示/違反報告)
すみ(プロフ) - はじめまして!Time goes by拝見しています。2人の掛け合いが 大好きです!いつか番組で共演して仲良しな姿を見てザワつくお話を読みたいです。というか……早く結婚して幸せになってほしい気持ちです。これからも、楽しみにしています! (2023年4月22日 21時) (レス) id: 013c7a8c5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あおやなぎ | 作成日時:2023年4月21日 21時