Time goes by 3rd

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「どんな体でも受け入れてくれる？」

俺はボディビルダーのように筋骨隆々ではないし、肌も小麦色をしているわけじゃない。


「俺ムキムキじゃないし、場所によるけど毛が濃いとこもあるし。それでもAは俺を受け入れられる？」

少しお腹が出てきて筋トレで鍛えるべきなのかな……、と鏡を見て凹むことも少なからずある。脱毛してつるつるすべすべを目指した方がいいのかな、とも考える。


『もちろん』

「それと同じなのよ」

『え？』

Aは目を点に、口を半開きにした。


「俺はね、全部受け入れたいの。傷痕が酷いから嫌いになるとか、そんな浅いレベルで付き合ってねえのよ」

随分と時間が経っても残り続け、完全に消えないのが自信の喪失に繋がったのかもしれない。Aの傷痕は決して可愛いものではない。俺の裸眼では見えないほど薄くなったけど今後も消えはしないのだろう。


「俺怪我の知識に疎いけどさ、調べたらお前の怪我ってまるまる1本脚がなくなる可能性もあったらしいじゃん。1歩間違ったら切断するような怪我なんだろ？」

『……うん』

「でも切断せずに今もちゃんとあるのは病院の先生達が一生懸命治療に当たってくれて、お前が必死で痛みに耐えてリハビリ頑張ったからじゃねえの？」

俺はAの努力を無下にしようなど決して思わない。ピーターパンとして再び宙を舞うために、痛みやトラウマと戦ったこと。本人は隠しているつもりだろうけど、激痛のために時々痛み止めを飲んでいたことも知っている。


「脚の傷痕はお前が頑張った証拠じゃん。すげえよ、お前逃げなかったんだよ？」

高校生の時に照からの伝言があった。その度に無理をさせないように2人で練習内容を変えたり、休憩時間を増やしたりしたことはAは気づいていない。


「だから綺麗じゃないなんて言うな。俺脚フェチだけど傷1つない脚が好きとは言ってないよ？」

Aは口をへの字に結んだ。


「1人で抱えんな。俺にもその荷物分けろ」

『……うん』

「頑張った自分に誇りを持って」

ありがとう、と小さく呟くと光るものが両目から溢れた。


「M字に開いて痛いなら姿勢変えたらいいんだよ」

その体を起こす。

「ここ、座ってみ？ 向き合って」

『なっ……！』

俺は自分の太腿を叩いた。Aの目からは涙が引っ込んで、代わりにジワジワ頬が赤くなった。

しっかりしてそうやのに→←＊

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