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ピースページ28

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ゆり組がジャスティスの正義なら、ふかふじはピースの平和だと思う。この世に蔓延るどんなビジネスカップルYouTuberよりもふかふじは仲がいい。本物の相性の良さと可愛らしさに誰もが虜だし応援したくなるはずだ。

「そうだ。Aさんが俺の高校の先輩でふっかさんと岩本くんも高校の先輩だから、3人とも同じ学校じゃん」

『在校期間も被ってるんだよねえ。実は』

現に目黒は2人の仲睦まじげな姿に心を奪われている。

「じゃあふっかさんが爆モテだったことも知ってるんですか？」

『もちろん。すっごくムカついたけど』

「それは嫉妬で……？」

『全然。あの時は好きでもなんでもなかったんだよ、信じてもらえないかもだけど』

4人の手元にはAちゃんがコーヒー屋さんで買ってきてくれた飲み物、取り分けられたケーキやチョコレートスコーンがある。

「なんでモテるのか私には分からんって言われてるからね、俺」

「マジで？」

『私ふっかと付き合うまでふっかみたいな人とだけは付き合いたくないって思ってたのね？優しさを履き違えてる部分があったし、女の子にモテることで優越感に浸ってるのが純粋にキモかった』

「Aさん草」

『だから今辰哉くんと付き合ってるのは自分が1番信じられない』

「俺も」

信じられない、と言いながらちゃっかり仲良く付き合っている所も推せるポイントだ。今も目黒と俺をダイニングテーブルの椅子に座らせ、自分達は隣合ってこたつに入ってぬくぬくと暖をとっている。

「それがどうして付き合おうって思ったんですか？」

『辛い時期を支えてくれたから』

「辛い時期？」

目黒はチーズケーキを食べながら不思議そうにホットのストレートティーを飲む。

『目黒くんさ、silentの撮影始まった頃に役に入り込んで痩せちゃったことあったでしょ？』

「ありました」

『実は私も同じような状態になったことがあったの』

Aちゃんはテレビや映画で大活躍する一方で、自身の原点でもある舞台演劇を大切にしている女優さんだ。朝ドラでも映画でも主役や主役級の活躍をするし、舞台でも座長として他のキャストやアンサンブル、スタッフをまとめる。

『4年前の今頃だったかな？』

それだけでもかかる負担は大きいのに、Aちゃんの場合は役としては美味しいけれど決して報われない女性を任されることが多かった。