捌 ページ10
その夜 しのぶちゃんの鎹鴉から連絡がきた
Aちゃんが任務中 大怪我をしてしまったと
私は屋敷を飛び出して蝶屋敷へと向かう
どうして？ 出る前はあんなに嬉しそうだったのに
Aちゃんの恋を全力で応援するって決めてたのに
Aちゃんあのコロコロと変わる
可愛らしい表情はもう見れないの？
Aちゃんが任務に出る前
無一郎くんとの任務に行って来てもいいかと
嬉しそうに許可を取りに来た彼女を思い出す
『蜜璃様！』と元気よく私の名前を呼んでくれる彼女を
巡る思い出の中夜通し走り続け
やっとの思いで辿り着いたのは朝のこと
しのぶちゃんは私の到着が思ったより早かったのか驚いていたが、「Aちゃんは！？」とせがむように聞くと真剣な顔をして病室へと案内してくれた
いつも笑顔のしのぶちゃんが
難しい顔をしていることに不安を覚える
そんな重症なのだろうか
不安が積み重なるように 私の心臓も大きく鳴る
そしてしのぶちゃんに「こちらです」と案内された一室の部屋
ドアの向こうに重症のAちゃんがいる
何があっても受けてめれるように覚悟を決めてドアノブに手をかけた
「Aちゃん！」
『！ あ、はいっ』
ドアを開けてもいないのに鮮明に聞こえた声
頭の中が一瞬パニックを起こしたが
声のする後ろを振り返ると患者服姿のAちゃんがニコッと笑って立っていた事実を受け止める
受け止める他ないのに
頭にいっぱいの？が浮かぶ
「…？ 大怪我って…？
だってしのぶちゃんも…？？」
『心配お掛けしました 私はまだ生きてますよ』
寝込んでいる姿を想像していたのに
Aちゃんは思いのほか ケロっとしていた
よかった 生きていてくれて
よかった 私のいないところで大切な人がまた失われなくて
よかった Aちゃんがいてくれて
喉に痞えを覚え、目元が熱くなる
瞬きをすれば目から雫が止まらない
「っ…Aぢゃぁぁあん！！！
よかったっ よかったよぉおお！！！」
『っわ』
思わずAちゃんに抱きつく
ぎゅーと力強く抱きしめて彼女の体温を確認する
温かい 生きている
Aちゃんは何も言わずに
優しい手つきで私の頭を撫でる
うぉんうぉん泣く私を慰めてくれるように
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美穂(プロフ) - 突然終わってしまって寂しいです (2022年4月25日 20時) (
レス) @page44 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あああーーあああーーあああーー......好きです (2020年7月18日 2時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - この作品はとても面白く一気に読ませていただきました！作者様の次の更新とても楽しみにしております！ 頑張って下さい！応援しています (2020年3月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
さきいか(プロフ) - 読みやすいです！ (2020年1月21日 7時) (レス) id: 4e87d4f1f5 (このIDを非表示/違反報告)
白米 - 好きです (2019年10月16日 0時) (レス) id: f989566248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：智菜 | 作成日時：2019年9月16日 21時
