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参捨壱 ページ44

炭治郎くんが刀鍛冶の里へ向かって1日

確か甘露寺さんも今刀鍛冶の里に滞在しているから鉢合わせるのかな

血鬼術についての資料を両手に持ちそんな事を考えていた


我が蝶屋敷には毒や鬼の資料は他所よりもある事を自負している

だが一向にAさんのかかった血鬼術の突破口となりそうなものは見つからない

彼女の誕生日も近いことから焦りを感じながらも関係のありそうなものを虱潰しに読み漁っていた

幸い急患もおらず資料室で黙々と作業ができた


鬼を倒し日光を浴び続ければ治るものもあったり
なぜそんな事で治ったのかわからない事例もある

例えば影を踏まれて治る、なんてものもあった

それも確かではなく

血鬼術はまだまだ謎が多く屋敷の資料だけでは物足りなさを感じ天井を仰いでいた

そんな頃、軽い足音がこちらへと向かっていることに気づいた


「しのぶ様ー!」


私を呼ぶ なほの声

急患でも入ったのだろうかと立ち上がると同時に資料室のドアが開きなほが顔を覗かせる


「どうかしましたか?」

「あの!霞柱様が!」









.









.









「珍しい事もあるものですね
時透くんが怪我で自ら足を運んで来るだなんて」

「…」


時透くんの腕に包帯を巻きながら私は嫌味を言うようにそう言った

言うように、というか半分嫌味だ

今彼は数ヶ所の打撲に片腕を脱臼し、頬などにも切った跡があった

これ程酷い怪我を負っているものの彼は普段この程度の怪我で蝶屋敷に訪れた事がなかった

彼が来るのは自ら歩くことのできなくなった時に強制的に運ばれてくる時か、誰かによって半ば強制的に連れられる時くらいだった

そんな彼がこうして蝶屋敷に通院してくれることに成長を感じながらも
普段からもっと利用してくれれば良いのだという事を含めた嫌味だった


彼もそれが分かっているのか私のお小言に押し黙っていたが
治療が終わると口を開いた


「Aは?」

「…今は眠っていますよ」


最近眠ることが多くなったAさん

それに不安を感じている事を打ち明けられたのがほんの一週間前の事だった

それから一度目が覚め、今はまた眠ってしまっていた


時透くんをAさんの病室へ案内し
そろそろ目が覚める頃だろう、と伝えたが彼は刀鍛冶の里へ行かねばならないとAさんの顔を見た後すぐ立ってしまった


その後すぐに目覚めたAさんに
時透くんがお見舞いに来てくれた事を伝えると

嬉しそうな満たされたような笑みを浮かべていた

終わり ログインすれば
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美穂(プロフ) - 突然終わってしまって寂しいです (2022年4月25日 20時) (レス) @page44 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あああーーあああーーあああーー......好きです (2020年7月18日 2時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - この作品はとても面白く一気に読ませていただきました!作者様の次の更新とても楽しみにしております! 頑張って下さい!応援しています (2020年3月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
さきいか(プロフ) - 読みやすいです! (2020年1月21日 7時) (レス) id: 4e87d4f1f5 (このIDを非表示/違反報告)
白米 - 好きです (2019年10月16日 0時) (レス) id: f989566248 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:智菜 | 作成日時:2019年9月16日 21時

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