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丗参 ページ36

否定していた手はいつの間にか手を繋がれていて

見つめられているものだから

たくさん伝えたい言葉を音として発するのは難しかった


『そんな事…思ってはないけどっ…』

「けど?」


いかにも興味津々、と言ったようにぐいっと顔を近づけてくる無一郎

近い、とてつもなく近い

私の視界いっぱいに無一郎

とてつもない心拍数で心臓のリズムが狂ってしまいそう


『む…』

「む?」

『無理ぃ!』


私は思わず無一郎の顔に枕を押し当てた

まだバクバクと心臓が高鳴っており余韻の動悸がひどい

いや、誰だって好きな人の顔が目の前にあったらこうなると思う


なんて考えていると二人の間に沈黙が流れる

同い年だけど枕を押し付けるなんて柱に対して失礼すぎたかしら

押し付けた枕をそっと退けて無一郎の様子を見ると
変わらぬ不満げな顔

怒っては…いないよう


「僕には言えないんだ」

『え! いや』


不貞腐れた様子

無一郎の前屈みだった体勢が引き、ちょこんと膝に手を乗せて座って黙り込んだ

それにあわあわと慌てふためく私


すると戸の方から楽しそうに「フフフッ」と言う笑い声が聞こえた


『胡蝶様!』

「すみません あまりに可愛らしい会話でしたので」


謝りながらも変わらず思い出しは笑っていた

可愛らしいだなんて

私からしたら大変な出来事なのにっ…


「時透君 Aさんは顔が近くて恥ずかしくて“無理”って言ったのですよ …っふふ」

「!…そうなの?」


そう聞く無一郎に私は強く肯定するようにコクコクと何回も頷く

すると無一郎から不機嫌な色は見えなくなった


「そうなんだ」


胡蝶様ナイスアシストです

助かりました!

心の中で感謝を告げた


「お二人が心配で見にきましたが問題なさそうですね
あとはどうぞお若いお二人で」


手をひらひらっと振り
蝶が飛んでいくように軽やかに部屋を去っていく胡蝶様

後者の台詞はお見合いなどでよく聞くアレで
無一郎を意識せざるおえない

最後に蝶は爆弾を置いていった

丗肆→←丗弍



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美穂(プロフ) - 突然終わってしまって寂しいです (2022年4月25日 20時) (レス) @page44 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あああーーあああーーあああーー......好きです (2020年7月18日 2時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - この作品はとても面白く一気に読ませていただきました!作者様の次の更新とても楽しみにしております! 頑張って下さい!応援しています (2020年3月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
さきいか(プロフ) - 読みやすいです! (2020年1月21日 7時) (レス) id: 4e87d4f1f5 (このIDを非表示/違反報告)
白米 - 好きです (2019年10月16日 0時) (レス) id: f989566248 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:智菜 | 作成日時:2019年9月16日 21時

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