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丗弍 ページ35

戸惑いも隠せず、1ミリも化粧をしていないすっぴんも隠せず

私はかなりひどい顔をしている

目の前に座る無一郎を視界から外す事なく目を泳がせていた

何か喋らないと、と思うものの何を喋ればいいのか分からず私はありきたりな質問を無一郎にした


『ど、どうしたの? 何かあった?』

「どうしたも何も見舞いに来ただけなんだけど」

『そう…だよねぇ…』


質問を間違えた…!

何、当たり前のことを聞いているのかっ

思わず顔を逸らす

もう恥ずかしくて顔が真っ赤になる

穴があったら入ってしまいたいっ…


「…覚書きに、“Aと会う”って書いてたから
僕は忘れっぽいし、何処でそんな約束したかは憶えてないけど…会わないといけない気がして」


___ねぇ 無一郎 “また”逢ってくれる?



あの時の約束を…果たしに来てくれた

また、逢えた

思わず赤いままの顔で無一郎の方を振り向く

嬉しい

その一言に尽きた


『あ、あのね!あのね!』


おかしなテンションなのか、今少し興奮気味なのか
自分でも思わぬ大きな声が出た

前に身を傾けながら食い気味に喋ろうとする私に無一郎は
私の頬に手をそっと添えて「真っ赤」と一言言った


『っ……』


それにプシューと顔の熱気を蒸散させ、興奮していた心を鎮める

そして先ほどの興奮をまた一気に恥ずかしくなって身を縮こませた


『ぁ、えっと…前…無一郎とその…ぁ、逢引…というか…お出掛け! お出掛けした帰りにね
約束して…また逢おうって…』

「そうなんだ…逢引…」

『そ、そこは忘れて! 私ったら恥ずかしい
逢引だと思ってたのは私だけで無一郎は多分そんな事思ってもなかっただろうから!』


熱い頬に片手を添えて、もう片手は無一郎に向けて振り掻き消すようなジェスチャーをする

あれは冷静に考えれば無一郎を連れ回しちゃっただけだし、
でも私の中では逢引だったということにしてほしい

そんな事を思って恥ずかしがっていると
無一郎は少し考え込んだ…いや少しむすっとしている様子を見せた


「Aは俺が何とも思ってない女の子と出掛けると思ってるの?」

『え…』


どういう事?

と思ってしまうのはカマトトぶってるのだろうか?

その発言に意味はあるのかないのか

あるとしたら私が思っている解釈で良いのか

一人恥ずかしく勘違いしてしまいそうだ


『そ、そういうわけでは…』

「…」


思いも見ない真剣な眼差し

思わず息を飲み込んだ

丗参→←丗壱



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美穂(プロフ) - 突然終わってしまって寂しいです (2022年4月25日 20時) (レス) @page44 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あああーーあああーーあああーー......好きです (2020年7月18日 2時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - この作品はとても面白く一気に読ませていただきました!作者様の次の更新とても楽しみにしております! 頑張って下さい!応援しています (2020年3月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
さきいか(プロフ) - 読みやすいです! (2020年1月21日 7時) (レス) id: 4e87d4f1f5 (このIDを非表示/違反報告)
白米 - 好きです (2019年10月16日 0時) (レス) id: f989566248 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:智菜 | 作成日時:2019年9月16日 21時

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