丗 ページ33
ここ最近の目覚めはあまりいいものとは言えなかった
いくら寝ても眠くて
眠りが浅いかと聞かれれば違うし、
寝る時間が足りないのかと言われればそうではない
逆に起こされても起きないし、
寝る時間なんて人より多いくらいだった
眠れない、眠くないと言った数ヶ月前が嘘のよう
そして今目が覚めても相変わらず眠くて、頭がぼやけるのは変わらない
「！ Aちゃん！！ よかった！」
目が覚めれば真っ先に私に呼び込んで抱きつく蜜璃様
何故「よかった」などと言われるのかわからない
いつも通り目が覚めただけなのに
抱きつかれお互いの首元に顔を蹲る体勢となる
見える視界の先は見慣れない部屋
目が覚めたのに自分の部屋でないことに違和感を感じた
『…？？』
見たところ蝶屋敷で寝ていたようだけど
何故私が蝶屋敷で寝ていたのか
頭上のクエスチョンを消すかのように思い出せる最近の行動を思い返す
診察を受けに蝶屋敷に向かって、宇髄様に会って
…そこからの記憶がない
宇髄様に会った後、私は倒れでもしてしまったのだろう
倒れた記憶はないけれど
その後蜜璃様が胡蝶様を呼んで、
私はベッドに座ったまま問診を受けていた
その間蜜璃様が心配そうにこちらを見ていた
胡蝶様が言うには私は宇髄様と会った後倒れ、
彼に運んできてもらったそう
倒れた時の記憶がないと話せば
倒れる前の記憶がなくなる事がたまにあるようなので気にするほどでもないらしい
宇髄様には今度お礼をしなければ
そして私は当分の間は蝶屋敷でお世話になる事が決まった
体調が良くなり次第甘路寺家へ戻っても良いよう
だけど任務などは単独も蜜璃様と行くのも禁止
蝶屋敷で大人しく看病されろとの事
継子として彼女の後を継ぐことはもうないのだろうと何となく実感してしまった
体調がこれ以上良くなる事もないだろうから甘路寺家へ戻る事もないだろう
自分のことなのでわかってしまうのだ
そしてわかってしまうことがとても切なく感じた
だからと言って蜜璃様に謝るとまた困らせてしまうのだろう
「いいの」「気にしないで」「きっと治るからそんな事言わないで」などと言ってくれる彼女が想像できる
だから蜜璃様には『治してみせますね』と笑って見せた
すると蜜璃様はどこかホッとしたような表情をして
頷き、「またお見舞いに来るね」と言って蝶屋敷を経った
その後私は頭の隅で安堵と不安が喧嘩していた
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美穂(プロフ) - 突然終わってしまって寂しいです (2022年4月25日 20時) (
レス) @page44 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あああーーあああーーあああーー......好きです (2020年7月18日 2時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - この作品はとても面白く一気に読ませていただきました！作者様の次の更新とても楽しみにしております！ 頑張って下さい！応援しています (2020年3月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
さきいか(プロフ) - 読みやすいです！ (2020年1月21日 7時) (レス) id: 4e87d4f1f5 (このIDを非表示/違反報告)
白米 - 好きです (2019年10月16日 0時) (レス) id: f989566248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：智菜 | 作成日時：2019年9月16日 21時
