検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:84,271 hit

廿参 ページ26

蜜璃様が出掛けたのを見送った後
今日は何をしようかと暇を持て余していた

そんな時 無一郎が唐突にやってきた

本当にびっくりした

来ると思っていなかったから

会ったのは実に数ヶ月ぶり

血鬼術にかかった時以来


そんな彼は私に白いリボンの髪飾りをくれた

私には可愛らしすぎるのではないかって思ってしまうくらい可愛い髪飾りを

しかもそれを着けて出掛けようと言ってくれた

どうしたんだろか 今日という日は

幸せすぎてキャパオーバーしてしまいそう


私はすぐに首を縦に振って
無一郎を客間に案内してもらった後、髪飾りに合う服を選び着替える

そして目と口元に紅を差す


これで準備万端

最後の確認に姿見の前でチェックをして
問題がないので自室を出た

大丈夫 無一郎と逢ってからなんだか気分がいい

彼に迷惑を掛けないようにお出掛けを遂行しなければ


そう思い客間の前に立つ


「…俺は……のこ…好きです
あな……はんぱ………りしたらどうですか」


何やら蜜璃様の弟君と無一郎が話している様子

年も近いので仲良くなったのだろうか

話の内容はイマイチわからないが、好きなことの話をしているらしい


『失礼します』


私はタイミングを見計らってその戸を開けた

開けた瞬間、二人は何やら怪訝な表情をしていた

何か熱心に話していたようだから仲良くなったと思ったのだが…?

だけど弟君は私の姿を見るとパァと表情を明るくして私に近寄ってきた


「Aさん お似合いですね」

『そ、そうですか?』


蜜璃様似のその明るい笑顔で言われると
お世辞でも信じてしまいそうになる

ちょっと恥ずかしいなと思いながら頬を染める


無一郎は何て言ってくれるかな

頬を染めながら少し期待して彼の方を横目で見る

だけど彼の怪訝な表情は変わらない

寧ろこちらを睨んでいた


どうしたのだろうか


様々か思考が巡り、褒めてくれる弟君の声さえ届かない

そんな中 無一郎もこちらに近寄ってきて
立ち止まったかと思えば私の手を引いて私を抱き寄せた


『ひぇっ…』


それを理解した瞬間

顔が火照るどころではなく真っ赤

心臓もドキドキと動悸を打ち、口から飛び出そう


「…」

「どうしたんですか? 無一郎さん」


本当にどうしたの?

そう聞きたいけど今はまともな言葉が発せられる気がしない


「行くよ」


無一郎がそう言うとそのまま背中を押されて玄関へと向かう



















「悔しいけど俺にあんな顔はさせられないな」

廿肆→←廿弐



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (116 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
261人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美穂(プロフ) - 突然終わってしまって寂しいです (2022年4月25日 20時) (レス) @page44 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あああーーあああーーあああーー......好きです (2020年7月18日 2時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - この作品はとても面白く一気に読ませていただきました!作者様の次の更新とても楽しみにしております! 頑張って下さい!応援しています (2020年3月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
さきいか(プロフ) - 読みやすいです! (2020年1月21日 7時) (レス) id: 4e87d4f1f5 (このIDを非表示/違反報告)
白米 - 好きです (2019年10月16日 0時) (レス) id: f989566248 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:智菜 | 作成日時:2019年9月16日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。