廿 ページ23
血鬼術にかかって3ヶ月程の月日が経った
かかった当初は思いの外軽かった体も
今はなんだか重苦しく感じていた
それと比例するように胸の宝石も色褪せて輝きを失う
誕生日まで残り数ヶ月
今の現状から見てどんどん衰弱して私は死んでゆくのだろうと予想できる
出来ればいつのまにかコロッと死んでいた
みたいな死に方が望ましいのだけれど
『こんにちは胡蝶様』
定期的な検診ももう慣れた
「こんにちは お待ちしていましたよ」
ドアを開けて失礼すれば
ニコニコと綺麗な笑顔で椅子に座って私を待っている胡蝶様
蜜璃様とはまた違う大人な魅力についクラッと目眩を起こしそうな程綺麗な方
彼女の笑顔を見るたびに胸打たれる
キュンっと心臓が反応する
「最近の調子はどうですか？」
『前と変わりはありません
あ…でも 少し 筋力が衰えたような気がします
刀を振るう際 薄くて軽いはずなのに…腕が疲れるようになってしまいます』
「そうですか… わかりました
いつものバイタルを測らせてもらいますね」
『はい』
彼女が持っているバインダーに挟まれた紙に書き込んだあと、
体温計なるもので体温を測り、脈を診る
あと呼吸の様子も見ているらしい
「…はい 終わりました もういいですよ」
『いつもありがとうございます 胡蝶様』
「いえ これも蟲柱としての仕事ですので」
彼女はそういうものの一人の患者をここまで親身になってみてくれるのは 医者でも少ないだろう
彼女の働きぶりは柱でも一二を争うだろうと蜜璃様も仰られていた
「あ、そうです Aさん」
検診が終わり椅子から立ち上がりドアへと向かう
すると後ろから名を呼ばれて振り返る
『はい？』
「甘味お好きなですよね？
先日 治療した隊士の方に頂いたお菓子があるんです
良ければ食べて行きませんか？」
『？ 私なんかがよろしいのですか？』
「もちろん そうと決まればカナヲたちにも声をかけましょう
お願い出来ますか？」
『はい 任せてくださいっ』
甘味のお誘いに足取り軽く
カナヲさんたちを探しに行く
まずは中庭を探そう
私は廊下を小走りで歩いて行った
＿＿＿＿
泡沫A
おんな
14歳
血鬼術による慢性的な退化
全身倦怠感、胸痛、頭痛、吐き気、不眠、眩暈、
呼吸困難、目のかすみ、耳鳴り、疲労、微熱、
生理不順、筋力低下
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美穂(プロフ) - 突然終わってしまって寂しいです (2022年4月25日 20時) (
レス) @page44 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あああーーあああーーあああーー......好きです (2020年7月18日 2時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - この作品はとても面白く一気に読ませていただきました！作者様の次の更新とても楽しみにしております！ 頑張って下さい！応援しています (2020年3月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
さきいか(プロフ) - 読みやすいです！ (2020年1月21日 7時) (レス) id: 4e87d4f1f5 (このIDを非表示/違反報告)
白米 - 好きです (2019年10月16日 0時) (レス) id: f989566248 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：智菜 | 作成日時：2019年9月16日 21時
