【鬼滅の刃】恋に溺れた人魚姫【時透無一郎】

捨捌 ページ21

『炭治郎くん 善逸くん 伊之助くん お久しぶりです！』


鎹鴉に連れられて
道を走った先にいる同期に手を振る

名を呼べは相手も気づきこちらに大きく手を振り返す


「A！ 久しぶりだなっ」


炭治郎くん、善逸くん、伊之助くんは私の同期

この三人は仲が良く よく一緒に任務についているらしい

今日はそんな彼らと合同任務


『今日はよろしくね』


彼らの元へたどり着いて挨拶をする


「Aちゃん 髪が短くなっても可愛いね！
結婚してよぉぉお！」

「やめるんだ 善逸！」

「ケッ凝りねぇ奴だな 紋逸も」


私に抱きつこうとする善逸くんの首根っこを掴んで
止めに入る炭治郎くん

わんわんと滝の様に涙を流す善逸くんには悪いが


『好きな人いるからごめんなさい』


そう言って彼のキラキラとした明るい髪を撫でる


すると善逸くんがポカンとした顔


「Aちゃん…音、変わった？」

『音？』


善逸くんの頭にも？が浮かんでいる上に
私の頭にも？が浮かぶ

彼が耳がいいのはわかっているが
私自身はよくわからないので
自分の音がどう変わっているのかもわからない

すると炭治郎もすんすんと私の匂いを嗅ぐ


「本当だ 匂いも変わっている」


彼らが嘘を言うはずもなく
だからこそ尚更みんなの頭に？が浮かぶ


「なんだろう 常に人の音は違うけど…
Aちゃんのは…根本的に変わってる…
人間とも鬼とも…他の生物とも違う…」

「でも微かに鬼の匂いも…」

「血鬼術にでもかかってんじゃねーのか？」


二人の発言から導き出した伊之助の答え

私はそれに心当たりがあって『あー』と声を漏らす


『おそらく血鬼術だと思います
先日 少し失敗してしまって…まぁ 支障もないですし
胡蝶様の屋敷でも診てもらっているので』


だから大丈夫、と微笑む

微笑むのだけれども…


「えぇー！！！？ それ大丈夫なの！？
無理してない！？ 辛くない！？」


善逸くんの圧倒的な大声にビックリして少し笑顔が引き攣る


「心配なのはわかるが落ち着け善逸
だが善逸の言う通り 無理はするなよ A」

「お前は俺の子分だからな！
親分の俺が守ってやる！ 心配するなっ」


みんな私の心配をしてくれる

優しくてキュンと胸打たれちゃう


『はいっ ありがとうございます
でも無理もしてないので大丈夫です』

「「「…」」」


笑顔を作り直しそう言うと三人は困った様な顔をする




「…自分で気づいてないのか？
A…今…とっても辛い匂いがする」

捨玖→←捨漆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す