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捨漆 ページ20

無一郎が目が覚めて
蜜璃様が迎えに来てくれた事を確認すると「ごめんね」と一言言って次の任務へと早々に行ってしまった

無一郎に謝られることに違和感を覚えながらも
私はその言葉を呑み込んで彼の去る背中を見ていた

そのあと胡蝶様に定期的にここに通う様に言いつけられ私と蜜璃様も蝶屋敷をあとにする


蜜璃様の屋敷への帰宅路

その途中で「ぐぅ」と如何にもお腹の虫が空腹だと言わんばかりの音がした

蜜璃様の方を振り返れば顔を真っ赤にして、頬に手を当て、汗が止まらぬ姿が見えた


思えば昨夜から朝まで私の為に駆けてくれた彼女は何も食べていない

お腹の虫が主張するのも無理はない


『どこか食事処に寄りましょう』

「う! うん! そうだね!」


左右を見て適当な食事処に入り
蜜璃様はあれやこれやと美味しそうな品全てを注文する

注文を取っていた女将さんは
その量にギョっとしながらも必死にそれを書き留めていた

そして注文が終わると正面に座る蜜璃様がニコニコと嬉しそう

よほどお腹を空かせていたのだろう

待ち遠しくて堪らないという顔だ

子供の様にキラキラとさせた目は可愛らしい

そんな蜜璃様にキュンとハートを射抜かれてしまいそう

食べる姿はもっと可愛らしいことだろう


「ありがとね Aちゃん」


蜜璃様の感謝の言葉に心当たりが頭に?を浮かべる

何か感謝される様なことしただろうか

逆に感謝すべきなのはこちらの方なのに

そう思い私は蜜璃様に問うた


『? 何がですか?』

「しのぶちゃんが言ってたじゃない
今のAちゃんは食事を摂る必要もないって
私の為にわざわざ食事に付き合ってくれてすごく嬉しいの」


なんだ そんな事かと私も困惑の表情を笑顔に変える


『食べる必要性は無くとも
こうして食事をして人と交流することは大切です
私は好きですよ 蜜璃様との食事』


すると蜜璃様はその言葉にキュンとしたのだろう

少し頬を染めて胸を押さえる


「私も食べることは大好きだよ!
でもね でもね Aちゃんと食べるご飯の方がもっと大好きだよ!」

『くぅっ…』


可愛いし嬉しすぎる キュンとした

射抜かれてしまったハートを押さえてなんとか平常心を保つ


『光栄です』


赤くなった頬に手を当てて隠す

手の温度より頬の温度の方が高くて熱い


私の師範は誰にも負けず劣らず可愛らしい

そんな彼女はやはり 困った表情よりも
笑顔の方が何百倍も可愛らしい

彼女の最後に見る顔は笑顔がいいな

捨捌→←捨陸



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美穂(プロフ) - 突然終わってしまって寂しいです (2022年4月25日 20時) (レス) @page44 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あああーーあああーーあああーー......好きです (2020年7月18日 2時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - この作品はとても面白く一気に読ませていただきました!作者様の次の更新とても楽しみにしております! 頑張って下さい!応援しています (2020年3月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
さきいか(プロフ) - 読みやすいです! (2020年1月21日 7時) (レス) id: 4e87d4f1f5 (このIDを非表示/違反報告)
白米 - 好きです (2019年10月16日 0時) (レス) id: f989566248 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:智菜 | 作成日時:2019年9月16日 21時

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