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捨伍 ページ18

蜜璃様が泣き止むと短くなった髪を指摘される

事情を話すと少しシュンとしていたが
それでも「短いのも可愛いわ」と言ってくれた

あと「そのうち前よりも長くなるわよ」とも

その時胸がどっと重くなるような感覚に陥った

だって長く伸びるような頃には私はきっと生きていない


そう思うと急に保っていた笑顔が崩れそうになった

ああ いけない 笑顔 笑顔

そうは思っても笑顔が引きつりそうになる


『わ、私! 部屋に戻りますね
無一郎を待たせてますのでっ
胡蝶様 蜜璃様に説明お願いしますねっ』


そう言って蜜璃様、胡蝶様を置いて一人
病室に入って戸を閉める

流石に少し怪しかっただろうか

閉めた戸に背中をつけて ズルズルと腰を床に落とす


『はぁ…』


ドクドクと心臓が鳴る

ため息を吐くとそれが嫌にわかった

ベッドの方を見れば無一郎はまだ寝ている


勝手に理由にしてごめんね…


心の中で謝りながらゆっくり立ち上がる

机の上に置いた書き置きを片手で握りつぶしてゴミ箱に入れた

はぁ 、とため息を吐いて
怪我人は怪我人らしくベッドに戻る事にする

今頃は胡蝶様に説明を受けているだろう

蜜璃様は何を思うのか

優しい蜜璃様だから思い詰めた顔をしてこの部屋にやってくるんだろうな…


「失礼するね…Aちゃん」


ほら


『どうぞ…って椅子ないですね』


ゆっくりとが開き、小さく開いた隙間から蜜璃様が顔を覗かせる

私がいる事を確認すれば戸を必要分だけ開けて
病室へと入っていく

その間 私とは目が合わない

気まずくて目を合わせづらいのだろう


『ベッドにどうぞ』


そう言って私はベッドから降りようとする

ベッドに並んで座れれば良いだろうと思ったからだ

だけど蜜璃様は驚いて、焦るように首を横に振る


「あ、うんん 寝てて!」

『…もう傷はないですし、
そんなに気を使わなくても大丈夫ですよ』


私はそれを否定してベッドの縁に座る

そして自分の横をポンポンと叩き座ってくださいと意する

それを汲んで遠慮がちに私の隣へと座った


「…無一郎くん 寝てるのね」

『はい 昨日遅くまで私に付き合ってくれて』

「そうなんだ…」


蜜璃様は本題に入り辛いのか
他愛のない雑談から始める

先ほどまで泣いて喜んでいたのが嘘のように重たい空気が流れていた

まぁ そうさせてしまっているのは私なのだけど

蜜璃様もずっと気まずいのは嫌だろうな

私はそう思って敢えて彼女話を断ち切った


『蜜璃様 私__』

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美穂(プロフ) - 突然終わってしまって寂しいです (2022年4月25日 20時) (レス) @page44 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - あああーーあああーーあああーー......好きです (2020年7月18日 2時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - この作品はとても面白く一気に読ませていただきました!作者様の次の更新とても楽しみにしております! 頑張って下さい!応援しています (2020年3月10日 18時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
さきいか(プロフ) - 読みやすいです! (2020年1月21日 7時) (レス) id: 4e87d4f1f5 (このIDを非表示/違反報告)
白米 - 好きです (2019年10月16日 0時) (レス) id: f989566248 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:智菜 | 作成日時:2019年9月16日 21時

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