早朝の本音 ページ40
『…ふぅ。今日は雨降るかも』
10月23日。
卒業が5日後に迫った日曜日の朝。
少しどんよりした空の下。
Tシャツにジャージ姿のAは、
寮に戻りながら、額の汗を拭っていた。
日課にしている、早朝ランニングだ。
体力づくりの基本。
1日も欠かさない、とまではいかないものの、
ほぼ毎日のように、早朝に起きてはこうして寮の周囲の道を走っていた。
そして――
『…あ』
「…春宮」
食堂棟の前。
つまり、男子寮と女子寮の間でバッタリ出くわしたのは、降谷だ。
『…おはよう、降谷。』
降 「…あぁ。おはよう。」
『…これから走るの?』
Aと同じくジャージ姿の降谷を見て、
ポツリとAが問いかける。
降 「あぁ。…春宮は走ってきたのか」
『…うん。それじゃ』
すっと降谷の横を通り過ぎ、
寮へと戻ろうとするA。
降 「…春宮!」
『え?』
とっさに呼び止めた降谷に、Aがゆっくり振り向いた。
降 「この間…、悪かった。」
“話してみれば良いと思うぞ?”
萩原にそう言われて、
少し冷静に思考を整理した降谷。
熱があり、
体が辛かっただろうAに、
知らなかったとは言え、責める様に注意したこと。
それに、衝動的な、自分でも理解できない行動は、
少なくとも、Aにとっては不快だったはず。
『…は?』
降 「…でも、あの時、あの井上って男が春宮に――」
『…警戒心が無かったのは、認めるわ。』
降 「え?」
自分の行動の意図をどうにか説明しようと、
降谷が言葉を発するのを遮るように、
ポツリとAが呟いた。
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white12(プロフ) - 深海さん» お読み頂きありがとうございます!続編は、ただいま内容確認中でして、もうすぐパスワード外せると思います。少々お待ちくださいませ! (2019年8月28日 22時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 続編がパスワードかかっているんですけど、まだ非公開ですか?続き楽しみにしてます!! (2019年8月28日 22時) (レス) id: e9c616e2c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2019年8月27日 9時