September_3 ページ4
そうして、静かに構えるAと、
やや緊張した面持ちで真剣な目を携えた萩原。
スッと最初に動いたのは、
やはりA。
鋭い目を向け、
ゆっくり近づくと、
萩原の胸元を狙い瞬時に腕を伸ばす。
しかし、それは萩原によってかわされ、
逆に道着の袖を掴まれてしまう。
「…っ」
萩原がストレートに、そのままAを背負おうとするも、
身軽にくるりと体勢を反転させたAにかわされてしまう。
Aが背に立つ状態で、
一旦、Aの道着から手が離れた萩原。
とっさに、背後を振り向いた瞬間、
ふっ、と感じる浮力。
真下には、Aの頭があった。
『…っ...いしょっ』
すぐさま間合いに入ってきたAによって、
背負われそうになる萩原は、
体重を背にかけることで何とか堪え、Aの足を払おうとする。
しかし、
Aは、道着を掴んだままくるりと体の向きを90度変え、
萩原が体重を乗せている方向へ再度背負い直すと――
バシン
ゆっくり反転する視界とともに、
とっさの受け身で腕に感じる衝撃。
萩 「…」
『…ふぅ…』
頭上から落ちてくるAの小さな声を感じながら、
萩原は、眉をひそめ、悔しそうな顔を浮かべた。
景 「へぇ…さすがだな」
伊 「やっぱ、萩原じゃ敵わねぇか」
松 「もっと盛大に投げ飛ばしても良かったぞ、春宮」
降 「…」
萩原とAを交互に見ながら、
口々に声を発する4人。
『…ありがとうございました。』
くいっとAに持ち上げられるように、
腕を引っ張られながら立ち上がった萩原に、
軽くお辞儀をしながら礼を述べると、
そのまま、目の前の降谷の方へと向かうA。
『…お願いしても、良い?』
降 「…分かった」
鋭い目をしたAによる申し出を、
同じく、鋭い目を携えて、
小さく口角を上げる降谷。
景 「おぉ…」
伊 「ハハッ。リベンジ、ってヤツか」
松 「降谷と…ね。見物 (みもの)だな」
いつぞやの勝負のリベンジのような光景に、
楽しそうな伊達。
そして、それを見ていなかった景光と松田は、
話を聞いていたとはいえ、驚きと楽しさで、小さく口角を上げている。
その後ろには、未だ悔しそうに苦笑いをする萩原が、いた。
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white12(プロフ) - 深海さん» お読み頂きありがとうございます!続編は、ただいま内容確認中でして、もうすぐパスワード外せると思います。少々お待ちくださいませ! (2019年8月28日 22時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 続編がパスワードかかっているんですけど、まだ非公開ですか?続き楽しみにしてます!! (2019年8月28日 22時) (レス) id: e9c616e2c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2019年8月27日 9時