眠り姫にキスを_2 ページ26
「術科大会、春宮さん凄かったよな。
それに、今朝の講義でも春宮さんの発表――」
『…』
普段なら、
“それじゃ”などと言って、そのまま立ち去っていただろうが、
無言とはいえ、座ったままで井上の話を聞いている A。
「さっきの訓練で同じ班だったヤツなんだけどさ。この前――」
『…』
その場を去らないAに気を良くしたのか、
井上は、楽しそうにそのまま話をしている。
「でさ、俺の――
…春宮さん?」
『…』
無言のAがさすがに気になってきたのか、
井上がちらりと隣に視線を送ろうとした瞬間――
「…え」
コテンと、ゆっくりAの頭が、
肩に乗せられた。
「え、は、春宮、さん…?」
寄り添われたのかと一瞬ドキマギするも、
おずおずとAの顔に視線を向けると、
目が閉じられ、スースーと小さな寝息が聞こえる。
「…えっと、眠ってる?」
小さく肩を上下させ、
眠っている様子のA。
起こそうと、恐る恐るその肩に手を乗せるも、
目の前にあるのは、
気になっている女性の顔。
薄い唇に、
開かれてはいないが、大きな瞳。
幼さの残る、整った顔。
自分好みといって良い、Aの顔だ。
“容姿が、貴方の言う”好き”に当てはまってるんでしょう?”
以前告白した時に、Aからそう言われた。
ほとんど話したこともないのに、
好きなんて言われても理解出来ない、というようなことで断られたが、
実際、その容姿が自分好みであることは否定できないのだ。
間近に迫るAの顔をしばし見つめた後、
井上はそっとAの肩に手を乗せたまま、
その顔に、その唇に、顔を近づけようとした。
「春宮。お前、どこでも寝すぎだぞ」
――――
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white12(プロフ) - 深海さん» お読み頂きありがとうございます!続編は、ただいま内容確認中でして、もうすぐパスワード外せると思います。少々お待ちくださいませ! (2019年8月28日 22時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 続編がパスワードかかっているんですけど、まだ非公開ですか?続き楽しみにしてます!! (2019年8月28日 22時) (レス) id: e9c616e2c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2019年8月27日 9時