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それぞれの限界_3 ページ18

『えっと…降谷?』


その肩に感じる重力。
首筋に感じる、ふんわりした、どこかくすぐったい感触。


降谷が、Aに寄りかかるようにして倒れて来たのだ。


ゆっくりそちらに顔を向けると、
小さな寝息が聞こえて来た。

『…』

柔らかな金色の髪。
そして、その下の閉じられた長い睫毛。
その目の下には、疲れたような、小さなクマが出来ていた。

目の前に迫った降谷の顔を前に、
少しだけ戸惑うA。

キャーキャー騒がれる“イケメン”という類は、
良く理解出来ないものの、
整った顔の類ということは、理解できる。

しかし、そんなことではなく、
どうにも動けないこの状況に、Aは眉をひそめた。

数週間前、
自分が松田に対して、全く同じ事をしたなどとは夢にも思わずに。


『…降谷。…降谷?
重い…』


とりあえず控えめに肩を揺さぶり起こそうとするも、
隣からスースーと規則正しく聞こえる寝息は、
とても心地よいもので、
同じく疲れを溜めているAは、瞼にだんだん重力を感じてくる。


そして、ふと視線を落とすと、
膝の上には、文字列だらけの本と資料。

先ほどまで真剣に眺めていたその文字列に、
肩に感じる重力さえも、どこか心地よく感じ始め、
徐々に思考がぼんやりとしてくる。


パタン、と本を閉じると、
ぼんやりした心地よさに抗えないAの意識は、
深い眠りに落ちていった。









萩 「…は?」

伊 「何やってんだ、お前ら…
何で一緒に寝てるんだ?」

景 「春宮?はーるーみーやー!おーいゼロー!」

松 「…しかし、春宮はマジでどこでも寝るな…。
何で降谷と寝てんだよ…」


15分後。
なかなか道場に来ない降谷を探しに来た景光たち。

中庭のベンチで寄り添うように、
互いの肩にもたれながら眠っている降谷とAを見つけ、
ちょっと誤解されるようなセリフを吐きながら、
しばし口を開けたまま固まっていた4人だった。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - 深海さん» お読み頂きありがとうございます!続編は、ただいま内容確認中でして、もうすぐパスワード外せると思います。少々お待ちくださいませ! (2019年8月28日 22時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 続編がパスワードかかっているんですけど、まだ非公開ですか?続き楽しみにしてます!! (2019年8月28日 22時) (レス) id: e9c616e2c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2019年8月27日 9時

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