乾いた音_2 ページ2
「松田…」
「なんなんだ…。君は以前、何度か事情聴取にここに来たことがあったな。
確か、警察学校の生徒──」
「だったらなんだよ」
松田の身長はとても高くて。
男は、上から睨まれるような状態に一瞬不快そうに眉を寄せたが、
仮にも捜査一課の刑事だ。
松田がどれだけイカつい態度をしてようが、そんな男に怯むはずもなく。
そんな中、
「確か…松田さん、と、…萩原さんでしたね」
1人の男が奥のデスクから歩いてきた。
それは、目暮だった。
少し前まで優也の捜索をしていたものの、
小嶋や他の刑事に任せ、
彼はやるべきことを進めるため、先ほどここに戻ってきていたところだった。
「あ…!?」
濁音が2つほどついたような不機嫌な声を上げた松田は、
見知った顔を目に留め、さらに眉を歪めた。
「…取り調べしてんのはお前かよ」
「おい、松田…」
「…何の用ですか」
萩原の声など聞く耳を持つ様子のない松田に、
目暮は、ほんの少し苦しげに唇を歪めて毅然と言い放ち、
“…優也くんは、…見つかったんですね”
と、優也を見つめて安堵した表情を見せた。
しかし、
「…さっさと、解決しろよ…犯人は、捕まったんだろうが…!
それとも、ここにいんのは無能な奴らばっかってことか!?あぁ?
“もうすぐ終わらせる”んじゃねぇのかよ!」
悲痛な声色で叫ぶ松田に腕を掴まれ、再び表情を険しくした。
「松田!やめろ…!」
それを止めようと、松田の肩を後ろから掴む萩原。
そして、
「松田…!」
「おい!!何をしている…!!」
そこに現れたのは、
降谷と、鬼塚、そして永倉だった。
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作者名:white12 | 作成日時:2023年2月7日 18時