SNOW DROP 【名探偵コナン/警察学校組】

集団討論_2 ページ21

そして、質疑応答に入り、
代表の男が、他の班からのいくつかの質疑に答えた後、
教官からの最後の質問が飛んできた。

「その意見は悪くは無いと思う。
ただ、具体的にどのような見直しをすべきなのか、
問題点の指摘と、改善策、そこが甘いと思うが？」


「…えっと…」


まごついてしまった男の横で、
すっと手を挙げた後、立ち上がったのはAだった。


「発表者ではありませんが、失礼します。

第5班の意見として………、

…......と纏めましたが、
その意見は、第4班の意見にもありましたが、
5年前のアメリカでの連続殺人事件、

そして、13年前のドイツで起きた未成年による殺人事件を踏まえて――、

アメリカでは証人保護プログラムにより、
証言者、被害者を守る制度が――

日本の公安警察では…


よって、以上の点について、
刑法だけでなく、行政法から見直し、
加害者への更生を目的とするだけでなく、
被害者を保護するための法の整備を―――」




淡々と、
しかし、真剣な声色で意見を述べるAに、
周囲はシーンと静まり返っている。



「…なるほど。
論理的な、しっかりした意見だ。
第5班。よく、ここまで討論したな。春宮、もう座って良いぞ」




景 「…春宮さんがあんなに喋ってるの、初めて見た…。」

萩 「…俺も」

降 「…へぇ…」


教官の言葉に静かに席につくAを、
降谷たちは、まばたきをしながら見ていた。

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