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SOSのサイン_4 ページ40

痛みなどどうでも良くて、
自身の腕を掴む彼女の手に自分のそれを重ねた松田。
その小さな手はとても、


冷たかった。




松田の顔を見上げたAは、一度キュッと顔を歪め、


『…ご、ごめんなさい。
私がここにいたことも、…みなさんのことも、優也は知ってる...から、
…もしかしてと、思ったんですけど...』


少し我に返ったように松田から身体を離そうとしたのだが、
その手は当たり前のように彼に掴まれたままで。



「悪ぃ。午後、サボる」


無愛想な松田の低い声。
キュッとその手に強い力が込められ、
Aは溢れそうになる涙を堪え、大きく表情を歪めた。




「優也くん、スマホは持ってるのか?電話は──」
「…墓の場所は?俺は、もう一度その辺りを探してみる」
「警視庁に行った可能性は充分にありそうだが、…この周囲から──」


そうして、当然のように動き始める景光、萩原、降谷。


「…事件の可能性もあるな。
俺は鬼塚教官、…それと、永倉教官に連絡をしてくる。
人手があった方が良い。俺も後で合流する」


状況をすぐに理解した伊達の言葉に、一斉に頷く4人。
午後の演習など、頭にあるはずもなく。優先すべきことは一致していて。





松田たちは、Aとともに走って警察学校の敷地を出ていった。

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作者名:white12 | 作成日時:2023年1月21日 15時

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