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笑えねぇ冗談_6 ページ33

どこぞの週刊誌の、木下という男だ。
今日は1人らしい。


「やっぱりここにいるんだよね?
あ、もし何か話をしに来たんなら、一緒に──」


「…ふざけんな。てめぇ...」


松田のドスの聞いた声に口を閉ざし、一瞬怯んだ木下だったが、
詰め寄ろうとしてきた彼がそれ以上近づいては来ず言葉を途切らせたため、
小さく首を傾げている。





「…なにしや──」

「陣平ちゃん。やめとけ」


松田の後ろには、小さく首を振り、目を細めている萩原。
松田の腕はガッチリとホールドされていた。



「ここにいる…っていうのは、桜庭さんを…尾けてるということですか?」


松田の様子を横目に、景光が静かに問うた。


「…尾けてるってわけじゃないけど、…ここに入っていくのを偶然、見かけて。
2日前だったかな。話を聞こうと思ったんだけどね」


無理だったと言うように、苦笑いをして首を振る木下。
“偶然”などという言葉に、景光たちの眉間の皺が深くなった。



「事件と言っていますけど、彼女が記者につきまとわれる理由が、…分からないんですが」

続く諸伏の問いに、


「いやいや、つきまとってる訳じゃないんだけどね。人聞きが悪いなぁ。
…事件のことは、知らないのかな。警察学校にはそういう話は伏せられてる…とか。
でも、ニュースにもなってるしねぇ」

と、何食わぬ顔でつぶやいた木下。


「両親が殺された事件の後、長女は警察学校に入っていた。
そんな中、事件の容疑者2人が逮捕されたものの、その1人は警察上層部の息子かもしれない。
さらに、その上層部の人間が捜査を妨害していた可能性がある…なんてことになれば、ね」



何が言いたいんだと、景光たちは揃って木下を鋭く睨みつけた。

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作者名:white12 | 作成日時:2023年1月21日 15時

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