笑えねぇ冗談_3 ページ30
「…チッ。警察なんざクソ食らえだ。
そもそも、斉木の親父のことはどうなってやがんだよ…」
何も言わず眉を寄せる萩原の横で、松田が大きな舌打ちを溢した。
そして、
歩き出しながら、道の脇の三角コーンに足をゆらりと振り上げるような仕草をしたものだから、
「…おいおい。笑えねぇ冗談だって言っただろうが」
まるで先ほどのデジャヴのように、萩原がその腕を後ろから掴んだ。
斉木自身の言葉からも、彼の父親が関与していることは明らかで。
Aの両親が殺された事件に、斉木の兄が関わっていることもそうだろう。
しかし、事件の容疑者が逮捕されたと報じられてはいるものの、年齢と性別のみでその氏名は未だ非公表となっていた。
それは、
捜査への妨害という警察上層部のあるまじき行動をつまびらかにするために時間がかかるということなのか、
あるいは、氏名など公表されないまま、いずれ、詳細は有耶無耶にされてしまう可能性があるのか、
警察学校生の彼らに分かるはずもなかった。
そうして、
「え...、松田と、…萩原?」
ポカンとした声に振り向いた2人。
そこにいたのは、景光だった。
191人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2023年1月21日 15時