雨空に桜色の花びらを (8) 【名探偵コナン/警察学校組】 (ページ3)

今日:3 hit、昨日:174 hit、合計:21,100 hit

ざわめく新年_3 ページ3

校庭のランニングと掃除を終えた後、
校舎に入ろうとして、降谷たちは足を止めた。

何やらボストンバックを抱えた斉木が、寮の方から歩いてくるのを見つけたからだ。

「…斉木？」

「さっき、姿が見えなかったけど...」

「アイツ…」

訝しげに呟く萩原と景光の横で、
今にも噛みつきそうな雰囲気で斉木を睨みつける松田の腕を、伊達がガシリと掴んだ。

「あ…」

そうして、呟きを漏らした降谷の視線の先には、校舎から出てくるAの姿があった。
周囲には永倉教場の生徒が数名、Aは書類を抱えていて。
どこか正気のないような様子は、数メートル離れた位置からも分かるものだった。

「桜庭さん…」

思わず駆け寄ろうとした降谷。
それと同時に松田が足を踏み出した。

しかし──

「あ…」

『…』

それより早くAと出会したのは、斉木だった。