雨空に桜色の花びらを (8) 【名探偵コナン/警察学校組】 (ページ18)

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別れは突然に_4 ページ18

『…いえ。それと、提出すべき反省文と、理由書は、…紛失してしまいました。
大変、申し訳──』

「それなら、既に提出されている」

『…は？』

思わずおかしな声が出てしまい、口元を押さえたA。
その口から漏れる謝罪はことごとく遮られてしまって。

永倉は、表情を変えることなく、デスクの上にあった数枚の書類を差し出した。

「体調を崩したお前の代わりに、と、鬼塚教官の生徒が届けにきた」

『…』

書類を落とした場所も、そこに誰がいたのかも、Aはよく覚えている。
それを読まれてしまった可能性も理解している。

おそらく”彼ら”だ。

ただ、届けてくれていたなどとはまさか思ってはいなかったAは、戸惑いながら小さく頭を下げた。

「片付けも既に済んだ…というところか」

『はい』

目を細めて、床に置かれたボストンバッグを一瞥した永倉。

そして、

『…お世話になりました』

Aが、上着のポケットに丁寧に入れていた封筒を両手で差し出すと、
永倉は何も言わず、静かにそれを受け取った。