雨空に桜色の花びらを (7) 【名探偵コナン/警察学校組】 (ページ11)

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サンタクロースに願うのは_11 ページ11

冷静にも聞こえる降谷の言葉は、
静かな怒りを滲ませているかのように重々しくて。
それを感じたのか、なにか思うところがあるのか、
苛立っているような松田も、昨夜のように、降谷と口論になるような様子もなく。

「俺、これから警察病院に行くけど、陣平ちゃんも行くだろ？
降谷ちゃんと諸伏はどうする？」

「「え？」」

割り込むように口を開いた萩原に、同じ一文字を返す降谷と諸伏。

「あ、その足の治療に行くってことか？…それとも──」

「いや、桜庭ちゃんの様子見に行くんだけど。それと、彼女の弟のことも気になるし」

伺うようにして諸伏が尋ねると、萩原はさらりと答えた。
小さく目を見開いてどうにも複雑そうな表情の親友のことは、気にするつもりはないようだ。

「あ、…俺も気になって、行こうかとは...思ってたんだけど。
でも、桜庭さんが今病院にいるかは──」

「いるだろ」

「「え…」」

Aの弟のことは顔見知りとも言えない間柄だ。
気がかりだとはいえ、少し躊躇う様子を見せる景光の言葉を遮るように即答したのは、松田だった。

小さく驚く降谷と景光、そして、萩原は軽く目を見開いていて。

それだけ言って、スタスタと駅の方へと歩くペースを上げ始めた松田。

「お、おい…陣平ちゃん、待てって…」

萩原は松葉杖をつきながらの状態だ。
それについていけるわけもなく、降谷と景光に両隣から支えられるようにしながら松田の後を追いかけた。