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慣れない呼び名_3 ページ9

「陣平ちゃん、…あ、松田の奴に聞いても、
別に何もねぇ、お前が心配することじゃねぇだろ、とか言って何にも言わねぇからよ。
あの日、松田と話せたのか?」

『あ…、それは、…まぁ』

「俺がとやかく聞くことじゃねぇけど、…その、俺も、うっかり話しちまったから、大丈夫かなと思ってよ」


後ろ頭を軽く掻くような仕草をして、申し訳なさそうに眉を歪める萩原。
Aは、なんとなく、その仕草が松田に似ているなと感じていた。


『…それは、私から聞いたんです。
それに、松田さんのこと、知らなかったからっていうのは言い訳になりませんし、
…そのまま、っていうのは、嫌だった...――、
…良くないと思ったので、松田さんとも、…話しました』


最後の言葉を言い直して、ポツポツと言葉をこぼしたA。
萩原は、松田の過去を知ったことでAが色々と考えてしまっているのだろうことは理解できるものの、
松田が話さないものだから詳しいことは知らない訳で。
ただ、2人が何やら少し深くまで話をしている様子に、どこか複雑そうに口元を緩め、

「そっか」

と、小さく笑った。


「アイツ、言葉も態度も悪ぃし言葉足らずなとこもあるけどよ。
桜庭ちゃんが気にして心配するようなことは、多分…ねぇと思うぜ」

『え…』

「そんな顔してっと、まぁたアイツにデコピンされるぞ?」


今度は分かりやすくニッと笑って、
Aの(ひたい)にすっと指先を伸ばした萩原。


『あ…』

「じゃ、俺はそろそろ行くけど…、
あれ?そっちは訓練終わったんじゃねぇの?」

道場の隅から森本が歩いてくるのを目にし、
萩原がそう言うと、


『あ、ちょっと用事があって…』


と、ぼかした言い方で目を細めたA。



「そっか。んじゃ、お疲れ」


萩原は、特に追求することもなく、
戻ってきた森本に苦笑いで礼を言いながら、彼とともに道場を出て行った。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - さゆりさん» 嬉しいコメントをいただきありがとうございます。更新が滞りお待たせしてしまって申し訳ありません。また,体調についてもお気遣い本当にありがとうございます。更新頻度がまちまちで申し訳ない限りですが,引き続きお楽しみ頂けると幸いです。 (2022年8月31日 19時) (レス) id: 5b5db755e5 (このIDを非表示/違反報告)
さゆり - 更新ありがとうございます!これからどうなっていくのかドキドキしています。体調が悪いとおっしゃっていたので、どうぞ無理はしないでお大事にしてください。続きを楽しみにしています! (2022年8月30日 20時) (レス) id: 2b8084ecea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2022年8月4日 18時

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