クリスマスのざわめきの中で_4 ページ23
「桜庭さん、…何やってるんだろ。買い物、って感じじゃないよな…」
「僕には、誰かを尾行しているように見えるけどな…」
改札の手前で、既に中に入っていったAを見つめて呟く諸伏と降谷。
休日ということで、共に昼食をとっていた伊達班の面々。
伊達は、彼女と会う用事があるとかないとかで、予定は合わなかったのだが、
萩原を含めた4人で出かけていたのだ。
そして、バッタリと出会した──、
他班の女子生徒に萩原が囲まれると言うこれまでにも何度もあったシチュエーションに苦笑しつつ、
ふと、降谷がAの姿を見つけたのは10分ほど前のことだった。
萩原はまだあの女子生徒たちに囲まれているのだろうか。
クリスマスの予定だとかあれこれ聞かれていた萩原を他所に、
Aの様子がどうにも気になった降谷たちは、
彼を置き去りにするような形で彼女を尾けてきたわけである。
「斉木の野郎が、見えた気がしたんだがな」
松田が溢した大きめの舌打ちは、駅のざわめきの声であまり聞こえなかったものの、
その仏頂面から松田が何故か苛立っている様子を感じ取り、
降谷は複雑そうなため息をついた。
「…あぁ。僕もだ」
「え?斉木…?なんで──」
「さぁな」
諸伏が浮かべるクエッションマークなど気に留める様子もなく、
ICカードをかざして改札の中に入っていく松田。
「え、…ま、松田──」
「ヒロ。僕たちも行こう。少し、気になるしな」
「う、うん。そうだな」
事情は分からないが、ちらりと見えたAの横顔は複雑そうに歪められていて、
誰かを尾行していること自体、”普通”のことではない。
松田は何か知っているのか否か、それは分からないものの、
降谷たちはすぐに松田の後を追い、
その先のAを見失わないように、ある電車に乗り込んだのだった。
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white12(プロフ) - さゆりさん» 嬉しいコメントをいただきありがとうございます。更新が滞りお待たせしてしまって申し訳ありません。また,体調についてもお気遣い本当にありがとうございます。更新頻度がまちまちで申し訳ない限りですが,引き続きお楽しみ頂けると幸いです。 (2022年8月31日 19時) (レス) id: 5b5db755e5 (このIDを非表示/違反報告)
さゆり - 更新ありがとうございます!これからどうなっていくのかドキドキしています。体調が悪いとおっしゃっていたので、どうぞ無理はしないでお大事にしてください。続きを楽しみにしています! (2022年8月30日 20時) (レス) id: 2b8084ecea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2022年8月4日 18時