耳をつんざく警報音_10 ページ43
『…っ』
「…」
身を乗り出したのはもちろん階下へ飛び降りたかったからなのだが、
3階という高さはAにはまだ簡単に乗り越えられるものでもなくて。
間近に迫る地面を、松田の腕に抱きしめられながら軽い衝撃とともに受け止めたA。
ふと、間近に迫る松田の顔を見つめるも──、
何か言葉を発する間もなく、
淡い光を放つ街灯の下、
自身の真後ろに位置する非常階段の出口を睨みつけ、彼の腕に包まれた身体を離した。
バ…ンッ
乱暴な金属音とともにそれが開いたのはその直後だった。
優也の病室は3階のフロアの端に位置している。
男は、Aとは逆の方向、廊下の奥へと走って行ったのを確認していたA。
そこにあるのは非常階段で。
鳴り響いた警報音。
逃げるように優也の病室から走り去った男。
逃げるなら、階上ではなくおそらく階下だと睨んだAはとっさに飛び降りようとしたのだ。
「…ッ」
開かれた扉から出てきたのは、つい先ほど目にした男だった。
「…ビンゴみてぇだな」
そんな松田の呟きを聞くより早く、
瞬時に男の間合いに入り、胸ぐらを思い切り捻じ上げたA。
「…く…っ…」
『…優也に、何の用ですか』
男は、Aよりもはるかに背が高くガタイの良い人物で、
その、”大柄な男”のシルエットに、Aは見覚えがあるように感じていた。
「…桜庭さん!松田!」
そこに、男の後ろから追いかけてきた降谷が現れた。
128人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
white12(プロフ) - さゆりさん» 嬉しいコメントをいただきありがとうございます。更新が滞りお待たせしてしまって申し訳ありません。また,体調についてもお気遣い本当にありがとうございます。更新頻度がまちまちで申し訳ない限りですが,引き続きお楽しみ頂けると幸いです。 (2022年8月31日 19時) (レス) id: 5b5db755e5 (このIDを非表示/違反報告)
さゆり - 更新ありがとうございます!これからどうなっていくのかドキドキしています。体調が悪いとおっしゃっていたので、どうぞ無理はしないでお大事にしてください。続きを楽しみにしています! (2022年8月30日 20時) (レス) id: 2b8084ecea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2022年8月4日 18時