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おやすみ_3 ページ37

「え…、さ、桜庭さん?」

『…諸伏さん』


Aを見つめて驚いた表情で瞬きをしているのは、


諸伏だった。



「びっくりした…。音がした気がしてちょっと気になったんだけど。
こんなとこで何…してるの?」

『…えーっと…』

「桜庭さんも、寮抜け出してきたところ?
それとも、…今帰ってきたところ、とか?」

『...今、帰ってきた訳じゃ、ないですけど』


ほんの少し、引き伸ばされた唇と細められた目。
柔らかく、少しだけ楽しそうに笑う諸伏に、
Aは少し気まずそうに、ゆっくりと首の後ろに軽く手を当てて俯いた。


「教官だったらマズかったけど、
ライトが見えたわけじゃないし...。
俺みたいな生徒の誰かかなって思ったら、桜庭さんだったとは、…ちょっと驚いたな。
もしかして…、眠れない?」

『…』

「実は俺もなんだよね。
ちょっと外見たら、今日は満月かぁって、ふらっと外に出てきちゃった」


フッといたずらっ子のように笑う諸伏。


「今日はよく晴れてるし、綺麗だよな」


諸伏は、トン、と軽く校舎の壁に背を当てて、
頭上を見上げ、今度は柔らかく笑みを浮かべていて。


「”別に寮の外に出て見る必要はないだろ”、って、
ゼロには言われちゃいそうだけど」

ニヤリと笑いかけられ、
まだ少し気まずそうなAは、降谷のことを思い出して小さく口元を緩めた。


「あの屋上で見れたらもっと綺麗かもなぁ。
まぁ、…また教官に見つかったら今度はもっとマズイけどな」

『あの時は──』

「謝るのはナシな?前にも言っただろ?」


急に至近距離に近づいた諸伏の顔に驚くA。
松田や降谷たちもそうだが、諸伏もまた身長の高い男で、
膝を折り曲げて、わざとAの顔を下から覗き込むようにして、
続くだろう彼女の言葉をいとも簡単に遮った。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - さゆりさん» 本作をお読み頂き,コメントまで頂きありがとうございます。作品を好きだと言って頂き,本当に嬉しいです。お騒がせしてしまい申し訳ありません。作品を楽しんで下さっている方が1人でもいらっしゃることに,感謝しかありません。引き続きお楽しみ頂ければ嬉しいです。 (2022年7月5日 12時) (レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
さゆり(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新をいつも楽しみにしています。何だか大変だったみたいですが...。色々な方もいると思いますが、とても好きな作品なので、これからも応援しています! (2022年7月4日 22時) (レス) id: 2b8084ecea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2022年7月3日 18時

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