蒼にダイブ_3 ページ3
「へぇ…。4階とはいえ、高いっちゃ高いな。
こんなギリギリまで来て休憩しなくても良いんじゃねぇの?」
諸伏からは何も聞いていない松田は、
Aの両足がすくんでいることなど、
それを何とかしようとしていることなど知る由もなく、
するりとフェンスの外に足を踏み入れて、階下を軽く覗き込んだ。
「ま、松田…。桜庭さんは…」
躊躇いつつ、フォローをするような言葉を口に仕掛けた諸伏。
そうして、
「松田、あんまり身を乗り出すと教官に──」
と、同じく何も知らない降谷が冷静に注意をしようとしたとき、
『…っ』
「…ッ!」
パッと、同じタイミングでフェンスに張り付くような体勢になった松田とA。
それは、以前に諸伏が目にした光景とよく似ていて。
そこに松田が加わっただけのような、光景で。
「え…、も、もしかして」
「ヤベぇ!鬼公がこっちに来るかもしれねぇ!」
『…』
慌てた様子で、フェンスの扉を潜る松田とそれに続くA。
「鬼塚教官がいたのか?」
「それと、…北島っつー教官だったか。2人でこの建物に入って来ようとしてる」
「それ…」
松田の言葉に顔を見合わせた降谷と諸伏。
つい先ほど、教官室でこの屋上の鍵を修理する予定だと聞いた時、
鬼塚教官は北島教官に声をかけていて。
何やら、スケジュールや作業内容を確認していたのだ。
「ここに向かっている可能性が、高いかもしれないな」
「すぐに逃げた方が良さそうだ、な…」
コクリと、頷いた降谷と諸伏。
そして、何も言わず困った顔を浮かべているAをちらりと見つめて、
松田は、
「…っし。走るか」
と、屋上を出て行こうとした。
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white12(プロフ) - さゆりさん» 本作をお読み頂き,コメントまで頂きありがとうございます。作品を好きだと言って頂き,本当に嬉しいです。お騒がせしてしまい申し訳ありません。作品を楽しんで下さっている方が1人でもいらっしゃることに,感謝しかありません。引き続きお楽しみ頂ければ嬉しいです。 (2022年7月5日 12時) (レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
さゆり(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新をいつも楽しみにしています。何だか大変だったみたいですが...。色々な方もいると思いますが、とても好きな作品なので、これからも応援しています! (2022年7月4日 22時) (レス) id: 2b8084ecea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2022年7月3日 18時