帰り道とクラクション_4 ページ20
『じゃあ...お疲れ様です』
電車の中では何やら時折複雑そうな表情を浮かべながらも、
普段と同じような雰囲気で、実務のことなどを少し話していたA。
そんなAの様子を気にしつつも、
そのまま警察学校に戻ってきた松田だったが、
何事もなかったように寮に戻って行こうとする彼女の腕を掴み、
「ちょっと待て」
と、呼び止めた。
『え…？』
「ホントに大丈夫か？」
『…』
「さっき、ちょっと顔色悪かったように見えた気がしたんだが、本当に何でも無いんだな？
斉木か、アイツと話してた男と何かあるって訳じゃ、ねぇんだな？」
じぃっと目を見つめて問うてくる松田に、
思わず少し目を逸らしたA。
そして、”...はい。大丈夫です”、
と改めて彼の目を見つめて静かに答えた。
「…そうか。んじゃ、お疲れ」
『はい。お疲れさま...です』
もう一度だけ聞いた。
とでも言うように、松田はそれだけ確認して、
さらっと手をあげて男子寮へと入って行った。
あの夜。
無理に話させたようなものとはいえ、
医務室で彼女の話を聞き、放っておけないのだと降谷たちと共に伝えはしたものの、
Aが急に何かを相談してくるはずもないのは分かっていて。
松田とて、気にはなっても、
ズカズカと踏み込めば良い話でもない訳で。
Aが言ったように、単に、今日の実習のことを考えていただけなのかも...しれない訳だ。
そんな松田の心など知る由もないAの頭の中には、先ほど目にした光景が焼き付いて。
静かなクラクションが、鳴り響いていた。
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white12(プロフ) - さゆりさん» 本作をお読み頂き，コメントまで頂きありがとうございます。作品を好きだと言って頂き，本当に嬉しいです。お騒がせしてしまい申し訳ありません。作品を楽しんで下さっている方が1人でもいらっしゃることに，感謝しかありません。引き続きお楽しみ頂ければ嬉しいです。 (2022年7月5日 12時) (
レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
さゆり(プロフ) - 続編おめでとうございます！更新をいつも楽しみにしています。何だか大変だったみたいですが...。色々な方もいると思いますが、とても好きな作品なので、これからも応援しています！ (2022年7月4日 22時) (レス) id: 2b8084ecea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2022年7月3日 18時
