理由_6 ページ6
「なん、なんだ…」
こめかみを押さえて、
良く分からない奇妙な感覚に唇を噛む降谷を、
礼央は目を細めて見つめていた。
「彼女の名前は、まだ…残っているみたいだね」
「…」
ふと耳に入り込んた礼央の声に、
ハッと顔を上げた降谷。
「…キミにナマエのことが見えていたのは本当みたいだけど、
そもそも、彼女自身のことを知るのは難しかったと思うけどね」
「…どういう意味だ」
「ナマエが何を話したかは知らないし、
キミがそれを信じたかも知らないけど」
そう言って、降谷から視線を外し、
柵の外を仰ぎ見るように目を細めた礼央。
「…輪廻転生から外れるからね。僕たちは。
キミたちの記憶に”正しく”残るのは無理ってことだよ」
「――輪廻転生？」
「いわゆる、正しい生と死の繰り返しっていうやつだね」
「…」
「まぁ、それを確認するのも難しい話ではあるんだけど。
ナマエみたいに手伝いっていう一時的な期間でも、
本来なら正しく死後の世界に導かれて、
時を経て生まれ変わるべき魂が、
こういう存在になるわけだから」
降谷の方を振り向いた礼央は、
首を小さく傾けて両手を軽く横に出し、
ほら、というようにいたずらっぽく笑った。
「正しく輪廻転生の流れにいる魂とは違う。
そこから外れた存在だから。
...消えていくわけだよ。
その存在は。少しずつ、ね」
「…」
「だから、彼女のことを知るのは難しかったと思うよ。
その痕跡がうまく辿れないはずだから」
明らかなオカルト話。
しかし、それを自然と受け入れている自分に、
降谷は何故だか大きな違和感は覚えなかった。
そして、
“デメリットは？”
何故か、自分の声が脳裏をよぎった。
いつか、”誰か”にそんなことを聞いた気がしていた。
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white12(プロフ) - 桜咲さん» 温かいコメント、ありがとうございます！ご心配・ご迷惑おかけしてしまい申し訳ありません...。お楽しみ頂けていたら嬉しい限りです。本作品をお読み頂き、本当にありがとうございました！次回作は全くの未定ですが、その際はお付き合い頂けたら嬉しいです。 (2022年2月12日 19時) (
レス) id: 2b8084ecea (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - reさん» お読み頂きありがとうございます！随分放置してしまっていたのに、そんな風に言って頂けて本当に嬉しいです。素敵な作品を沢山書かれているreさんに嬉しいコメントを頂いて恐れ多い限りですが、もしまた執筆することがありましたらお手に取って頂けたら嬉しいです。 (2022年2月11日 10時) (レス) id: 2b8084ecea (このIDを非表示/違反報告)
桜咲 - 完結おめでとうございます！ 更新止まっていて心配していました。体調大丈夫でしょうか...。凄く素敵な作品をありがとうございます！景色もそうですが、心理描写が凄く綺麗で引き込まれました。新作が出たらまた読ませて頂きます！！ (2022年2月10日 21時) (レス) id: 8613f618c9 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 更新、本当に嬉しいです。そして完結おめでとうございます！文章がとても綺麗で繊細で、大好きです。切ないけれど胸が暖かくなるようなお話で、今回もとても素敵でした。寒い日が続きますが、ご自愛ください。新しい作品も楽しみにしています。 (2022年2月10日 13時) (レス) @page21 id: f0490f49ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2021年10月13日 23時
