繋がり_2 ページ7
「港区在住の23歳の女性です。
東都国際大学に通っていた人物で――」
「通っていた？」
少々引っかかる言い方に、疑問を呈する降谷。
「退学しているようです。
というより、そうせざるを得ない状況だったのかと...」
「…？」
「2年前の春、中央区の路上で頭を鈍器で殴られた通り魔事件。
雪村香奈は、あの事件で重傷を負った被害者です」
「…通り魔」
2年前の春。
今から言えば、3年近く前のことだ。
そう言えば、そんな事件が…あったな――。
と、降谷は誰もいない宙を見つめるようにして目を細めた。
「それで？」
「一命は取り留めたようですが、意識は戻らず、現在も入院しているそうです」
「植物状態、…というわけか」
「はい。…場所は、べ――」
「米花市民病院」
「え？」
自身の言葉を遮りハッキリこぼされた降谷の声に、
パッとその横顔に視線を送った風見。
視線を逸らしたまま考えを巡らせているような降谷は、
「…確か、まだ犯人が捕まっていない事件だったな」
と、ちらりと彼を一瞥した。
「はい。事件当日は酷い雨だったこともあり、防犯カメラの映像も粗く、
捜査はまだ続いていたかと」
「…」
「降谷さん、入院している病院をご存知だったんですか？
この女性は、なにかの案件に関わっている人物なんでしょうか」
「いや、…どうだろうな」
「…」
珍しくもない、こういった上司の掴めない返答に風見もそれ以上食い下がる訳でもなく。
何かの案件が絡んだ緊迫した事案なら、
こんな悠長に話をするはずもないことは明らかで。
追求したところで、
それ以上、自分が知りたいことが降谷の口から漏らされるはずがないことを知っているからだ。
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white12(プロフ) - ra-raさん» 返事が遅くなって失礼いたしました。嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます。更新が不定期で申し訳ありませんが，引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです。 (2021年9月24日 21時) (
レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra-ra - こんにちは！この先どのような物語になっていくのかワクワクした気持ちで読んでます。のんびりと更新待ってます！ (2021年9月19日 17時) (レス) id: f4447b9ee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2021年9月19日 8時
