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対象者 ページ40

ある日の朝。

Aは、数枚の紙に目を通していた。


『3人、ですね』

「1人だけ、手違いで写真が無いんだけど、
まぁ、時間や場所が分かっているから名前で分かるよね」

『分かりました』


手元の資料には書かれているのは、今日の仕事の対象者。
彼女たちは毎朝、
その日の仕事内容――、つまり魂を狩るべき対象者を確認し、
場所や時間、名前、外見の情報を元に、仕事を進めるのだ。



Aが頷いた相手は、彼女よりもかなり背の高い男。
柔和な笑みを浮かべた彼はAの先輩にあたる人物だった。


「じゃあ、よろしく」


いつものように軽く手をあげて去っていくその彼を見送ると、
Aは、資料に書かれた内容に再度目を通し、
本日の仕事に向かった。



―――その数時間後。


「奴らは予定通りのルートで移動中だ」


刑事たちのインカムに、降谷――、バーボンの低い声が響いた。


「「「こちらも全員配置についています」」」

「…気を抜くな」


公安刑事、および遠隔で監視を続けている公安警察の人間、
その全ての人間の身を引き締めさせたその声は、
裏の理事官である黒田のものだった。





パー…ン



怒涛のような声とざわめき、
いくつかの発砲音が風見たちの耳に入ったのは、
それから数分後のこと。


黒の組織の壊滅。
幹部連中――組織の核を担う彼らを一網打尽にする計画が、いよいよ始まったのだ。


「こちら風見。組織の幹部3名、拘束済みです」

「…研究員が数人Bルートに向かった。
武器を所持している可能性もある。気を抜くな」

「「了解しました。F地点で取り押さえます」」


低く限りなく潜めた声でインカム越しに指示するバーボン。
ジンたち幹部連中に、いくつかのルートから情報を流し、
彼らの指示に従う形で、
それぞれをうまく誘導するのが彼の最も重要な役割だ。





「――ベルモットはまだ拘束されていない。降谷くん、十分気を付けろ」

「…分かっていますよ。
そちらこそ、逆に狙撃されるなんてことのないようにして下さいよ」


バーボンの耳に、ボソリと、FBI捜査官 赤井の警告が響いた。
いつものように不快感を滲ませながら皮肉を吐いた彼だが、
その息は荒く、緊迫感と高揚感の入り混じった雰囲気が、バーボンを取り巻いていた。

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white12(プロフ) - ra-raさん» 返事が遅くなって失礼いたしました。嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます。更新が不定期で申し訳ありませんが,引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです。 (2021年9月24日 21時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra-ra - こんにちは!この先どのような物語になっていくのかワクワクした気持ちで読んでます。のんびりと更新待ってます! (2021年9月19日 17時) (レス) id: f4447b9ee9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2021年9月19日 8時

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