吸い込まれそうな蒼 ページ26
それからしばらく経った頃。
年が明け、一層風が冷たくなった米花町には澄み切った青空が広がっていた。
「よし!じゃあ、次は――」
早朝の堤無頭川には、普段とは違う笑みを浮かべてフリスビーを投げる降谷の姿。
そして、彼の愛犬ハロの鳴き声が響いていた。
空気は冷たいものの、
身体を動かしているからか、七分袖のスウェット姿の降谷の額にはじわりと汗が滲んでいた。
しばらくそうした後、
「よーし、いいぞ。ハロ」
愛犬と共にトレーニングを終えると、
ハロを抱き抱え、RX-7に乗り込んだ降谷。
今日は、表向き非番の日で。
といっても、公安警察の降谷零が休みでも、”それ以外”の人物が休みという訳でも無く。
「おはようございます!今日も早いですね」
「おはようございます、梓さん」
自宅で軽くシャワーを浴びた後は、
爽やかに笑みを浮かべてるポアロのイケメン店員な訳で。
出勤してきた梓に挨拶を返し、
いつものようにキッチンで作業を始める安室。
「あ、そうだ。僕、来月、しばらくお休み頂くことになるかもしれなくて」
「え?そうなんですか?あ…探偵のお仕事、ですか?
でも、来月って…」
「まぁ、そんなところです。すみません、ご迷惑おかけして――」
“いえいえ!いつもいろいろ助けてもらってますし”
と、はにかむ梓に、安室は爽やかな笑みを返した。
しばらく休むことになるのは、
来月だけではないかもしれないが――。
そろそろ動き始める事態に、
少しずつ、しかし確実に、計画通り降谷は事を進めていた。
“ぬかるなよ”
黒田が言った、――大きくことが動くのは、もうすぐなのだ。
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white12(プロフ) - ra-raさん» 返事が遅くなって失礼いたしました。嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます。更新が不定期で申し訳ありませんが,引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです。 (2021年9月24日 21時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra-ra - こんにちは!この先どのような物語になっていくのかワクワクした気持ちで読んでます。のんびりと更新待ってます! (2021年9月19日 17時) (レス) id: f4447b9ee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2021年9月19日 8時