死神 ページ24
それから数日が経ったある日。
安室透は、米花町のとある場所で目を鋭く光らせていた。
「目立った外傷は頭部だけ、か」
「カバンは物色されていないようだし、衣服の乱れもない。
事故の可能性もあるね」
「確かに…、転落した可能性も――」
ブツブツと言葉を交わす相手は、江戸川コナンだ。
ポアロのシフトを終え、少し離れた場所に停車させておいたRX-7に向かっていたところ、
彼に出会わしたのだ。
路地の角で、
頭から血を流して倒れている女性の様子を険しい表情で見つめていたその小学生に。
話によれば、彼もつい先ほど女性を発見したところで、
すでに息絶えている様子だと言うことで。
女性の持ち物だと思われるカバンは、特に物色された様子はなくて。
カバンの持ち手には、黒いローブに身を包み鎌を持った少しコミカルなマスコットが、
女性の血を浴びて鈍い色に染まっていた。
「とりあえず、高木刑事に連絡するね!」
「この辺りは人通りが少ないね。
ビルの入り口には防犯カメラがあるけど、ちょうど死角になっていそうだし、目撃者がいるといいんだけどね」
当たり障りのないような言葉を返し、
安室は顎に手を当てて苦い表情を浮かべていた。
(単なる事故か…、
あるいは、誰かに鈍器のようなもので殴られたのか…)
女性が倒れている地面の側には、5、6階建てのビル。
転落した可能性もあるその女性を見つめた後、
ふと周囲に視線を向けた安室。
「どうかした?安室さん」
「いや、ちょっとね」
向けた視線の先に、Aはいなくて。
米花町ではあるが、死亡した人間が全て彼女の仕事の対象ではないはずで、
強い未練のある人物ではないのだろうか、などと安室は考えていた。
そして、
彼女がいる世界に、
そのオカルトじみた話に、
もはやすっかり浸かり始めていることを痛感し、
それを一蹴するように自嘲気味にため息をついた。
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white12(プロフ) - ra-raさん» 返事が遅くなって失礼いたしました。嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます。更新が不定期で申し訳ありませんが,引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです。 (2021年9月24日 21時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra-ra - こんにちは!この先どのような物語になっていくのかワクワクした気持ちで読んでます。のんびりと更新待ってます! (2021年9月19日 17時) (レス) id: f4447b9ee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2021年9月19日 8時