選択肢_11 ページ20
『わ、私にそんな力はないし。
私はただの手伝いだから。
そういう風に”行き先”を決めたり、干渉するようなことは出来ない』
「つまり、もっと力を持ったやつじゃないと、ってことか」
『…』
「君は、どうして…その選択肢を与えられたんだろうな」
『…それは、分からない...けど』
オカルト話に慣れてきたのか。
通常の理論的思考で会話を進める降谷。
その理由を明らかにしたところで、何の意味もないだろう話だと分かっていながら、
シートにグッと重心を乗せてため息を1つ吐くと、
「…色々聞いて悪かったな」
と、何故か謝罪の言葉を漏らした。
『え…?』
「いや、僕には良く分からないが」
『…』
「”ルール違反”になって君が良くない状況にならないと良いんだが」
本当にそう思っているのか否か分からない表情で、
静かにアクセルを踏みこんだ降谷。
それは、聞きたいことはもう終わったという合図と同じで。
Aは、もう助手席に乗っている必要もなくて。
確かに少し話しすぎたかもしれないと困ったように眉を寄せながら、
ちらりと見つめる運転席には、どこか寂しげに口の端を軽く上げている降谷の姿。
その姿は、なんとなく、
触れたくなるような雰囲気を纏っていて。
何故か小さく動いた自分の右手を制し、
Aは、そのまま静かに助手席から消えたのだった。
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white12(プロフ) - ra-raさん» 返事が遅くなって失礼いたしました。嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます。更新が不定期で申し訳ありませんが,引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです。 (2021年9月24日 21時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra-ra - こんにちは!この先どのような物語になっていくのかワクワクした気持ちで読んでます。のんびりと更新待ってます! (2021年9月19日 17時) (レス) id: f4447b9ee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2021年9月19日 8時