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選択肢_9 ページ18

軽く握り合わせた掌を見つめるA。
降谷はそれ以上は聞かなかったが、
彼女の口にしたことは、何となく、ただ、何となく理解できる気がしていた。



「そういえばさっき…、刈られたと言っていたな。君の魂も」

『…え』

「その”やり残したこと”があって、強い未練があった…ということか」

『そういうこと…なんだと、思う』

「…」


窓の外は相変わらず雨の糸で満たされていて。
ザァザァという音が、ポツリポツリと交わされる会話をかき消そうとしているかのようだった。


「――デメリットは?」

『え?』


ふと気づいたように、再び問いかけた降谷。


「2つの選択肢があったなら、
どちらを選んだ場合も少なからずデメリットがあったはずだろ。
例えば君が”今の状況”を選ばなかったのなら、
半日の間、実体を貰える――とかいう時間はなく、そのまま死後の世界にいく、
というのが言わばデメリットということだと思うんだが。
…今の状況を選ぶことのデメリットは何だ?」

『…』


その問いにAは、少し考えるそぶりを見せた後、


『…うーん、何だろ…』


と、呟いた。


「は…?」

『何、だったかな...。
私、…手伝っている立場だし、そんなに色んなことを知ってる訳じゃないから。
なんで貴方に見えているのかも...やっぱり分からないし』

「…」


“先輩に教えてもらって”、だとか先ほど話していたA。
彼女の魂を刈ったというのも、そういった人間――、いや死神――、のような存在だったのだろうか。

降谷とて、彼女のことが見えている理由には見当もつかなくて。
先ほど”担当”があると言っていた彼女の話から、
やはりそういった存在は複数いるのだろうかと思考を巡らせていた。

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white12(プロフ) - ra-raさん» 返事が遅くなって失礼いたしました。嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます。更新が不定期で申し訳ありませんが,引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです。 (2021年9月24日 21時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra-ra - こんにちは!この先どのような物語になっていくのかワクワクした気持ちで読んでます。のんびりと更新待ってます! (2021年9月19日 17時) (レス) id: f4447b9ee9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2021年9月19日 8時

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